糖分の摂取をコントロールして肥満や虫歯のトラブルを減らそう!

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肥満と虫歯の原因に関するWHOの見解

WHO(世界保健機関)の見解では、肥満や虫歯の原因として糖分の摂取が挙げられています。確かに私たちは子供のころから、甘いものを食べると虫歯になるとか太ってしまうといわれて育ってきました。甘いものというのはすなわち糖分のことですから、私たちの親や先生や最寄りのお医者さんが言ってきたことが、WHOの研究機関によって証明されたことになります。

今さらそんなことはわかり切っていると思うかもしれませんが、しかしWHOによれば、どのくらいの糖分摂取であれば肥満や虫歯にならないかというところまで言及していますので、今回は肥満や虫歯と糖分摂取の関係を、WHOの見解に基づいてお話していくことにします。

糖分摂取の目安

肥満や虫歯にならないためには糖分摂取をある程度コントロールする必要があります。WHOのガイドラインで推奨しているのは、糖分摂取量を総摂取エネルギー量の5%以下に抑えるということです。はじめて作成した1989年版のガイドラインでは10%以下だったのが、新たなガイドラインでは糖分摂取量を一気に半減することを推奨するようになりました。

半減というかなり厳しい糖分コントロールの推奨ではありますが、WHOのガイドラインに記された内容ですから非常に重みがあります。私たちが直観で半分くらいに制限しよう・・・というのとはワケが違います。逆にそれだけ糖分摂取が肥満や虫歯と強く結びついているということを暗に意味していると考えるべきでしょう。

もちろん単なる憶測ではなく、ガイドラインが改定された背景には明確な根拠があります。1989年版の最初のガイドライン公表以降も、糖尿病や心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病や、肺気腫をはじめとする呼吸器系疾患などのNCD(非感染性疾患)の世界規模での増加に歯止めがかからなかったからです。そしてこれらの疾患のうち、肥満や虫歯が直接的、間接的にかかわっていると考えられる疾患が多かったからです。

ちなみに、ここでいう糖分というのは、野菜や炭水化物に含まれる糖分ではなく、私たちが日常的に用いる砂糖や、ジュースなどに含まれるブドウ糖、フルクトースなどの単糖類、そしてショ糖など二糖類のことを指します。ですから、ここでご紹介しているガイドラインの内容では、野菜や炭水化物の摂取を制限する必要までは言及していないことになります。

糖分摂取のコントロールによって肥満や虫歯を減らせる根拠とは?

WHOでは、上記のガイドライン改定の際に、糖分摂取を総摂取エネルギー量の5%以内にコントロールすることによって肥満や虫歯のリスクを大幅に軽減させることができるという明確な根拠があると公表しています。WHOが示すその根拠とは、次のようになります。

肥満のリスクを軽減できるとする根拠

まずは、糖分摂取量が少ない成人は、糖分摂取量が多い成人にくらべて体重が少ないという経験則的なデータがその最大の根拠になっています。同様に、糖分摂取量を増加させることで体重も増加するという、こちらも経験則的なデータを根拠としています。こちらの根拠については、成人だけではなく子供にも当てはまります。実際、清涼飲料水の摂取の傾向に関する調査によって、子供の体重の個人差が糖分摂取量から影響を受けていることがわかっています。

虫歯のリスクを軽減できるとする根拠

糖分摂取をコントロールすることによって虫歯のリスクを軽減できるとする根拠を統計的データによって示すには、第二次世界大戦が大きな手がかりになっています。というのも、第二次世界大戦前後によって、人々の糖分摂取量の総摂取エネルギー量に対する割合が大きく変化しているからです。

第二次世界大戦が始まる直前には、年間1人あたり15kgの割合で糖分を摂取していたのに対し、終戦直後は年間1人あたり0.2kgの割合の糖分摂取量まで激減しました。そして、虫歯の発症率も第二次世界大戦を境に激減しているというのです。この事実を踏まえ、WHOは糖分摂取量を減らすことによって虫歯のリスクを軽減できると考える根拠としています。

糖分摂取量を減らすためには加工食品の摂取に注意が必要!

私たちがコーヒーに入れたりお菓子にかけたりする砂糖の量は意外と少ないということをご存知でしょうか?私たちが糖分摂取量を減らすために必要な注意は、直接何かに入れたりかけたりする砂糖の量を減らすのではなく、糖分を含んでいる加工食品の摂取をコントロールする方向に向けられなければなりません。

では、実際にどれくらいの糖分(砂糖に換算)が主だった加工食品に用いられているのかということについても具体例を挙げながら示していきたいと思います。

たとえば、トマトケチャップ大さじ1杯分に含まれる糖分は、ティースプーン1杯分の砂糖(4g相当)です。コーラ飲料をはじめとするソフトドリンクではどうかというと、実にティースプーン10杯分(砂糖40g相当)にあたる糖分が含まれているものもあるのです。いわゆる栄養ドリンクなどは、急激に血糖値を上昇させる目的の飲料もありますので、上記のソフトドリンクの糖分含有量を軽く超えるものもあります。

朝食で砂糖入りのコーヒーを飲んで、何かにケチャップをつかい、通勤中に栄養ドリンクを飲んで、仕事の合間にソフトドリンクを飲む・・・こういう生活を日々続けているサラリーマンもいるのではないでしょうか。これがどれほど怖いことであるかということをちょっと考えていただきたいと思います。そして、糖分が含まれている加工食品は上記のサンプルにとどまらないのです。

生活習慣病全般にいえることですが、少なくとも上記のような生活習慣を送っていては、肥満と虫歯は免れないところであると考える必要があります。

糖分というのは、エネルギーとしては非常に高い機能を発揮します。ただ、それはあくまでも適度な摂取にとどめているということが大前提となります。肥満や虫歯に悩む人、そして肥満や虫歯をこれから予防していきたいと考える人は、糖分摂取の方法についてぜひ考えていただきたいと思います。

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