歯周病予防は生活習慣予防の肝!予防のポイントを押さえよう!

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

歯周病の概要

歯周病は、歯を支える歯肉、そして歯槽と呼ばれる部位の疾患です。歯周病が将来的にいろいろな生活習慣病のリスクを高めることから、今では歯周病自体も生活習慣病に含められることが多くなっています。また、オーラルケアの重要性が叫ばれるようになり、オーラルケアも生活習慣の中でおろそかにされるべきではないという意味も込め、歯周病を生活習慣病に含める意図もあります。

歯を支える歯肉が病気になるわけですから、歯周病が進行すると将来的には歯肉が歯を支えることができなくなることが多いです。そうなると、当然歯を失わなければなりません。歯を失うことで噛み合わせに問題を生じます。噛み合わせのトラブルは、新たな歯周病を招くだけでなく、まったく別の生活習慣病の原因になることもあります。それだけに、歯周病は考えられている以上に怖い生活習慣病であるといわなければなりません。

歯周病の特徴

歯周病の最も典型的な特徴は、放置することで症状がどんどん進行していくことです。歯周病菌という細菌類が病巣を大きくするからです。歯周病の進行を食い止めるためには、歯周病菌の増殖を上手にコントロールし、つくられてしまった病巣を小さくする治療が必要になります。ただ、一定以上に進行してしまうと病巣の回復は不可能であり、その場合は抜歯の処置がとられることになります。

また、歯周病にはほとんど自覚症状がありません。同じ歯の病気であっても、この点は虫歯とまったく異なる特徴です。虫歯は、よほどの根性と忍耐力がなければ致命的な状態に至るまで進行しません。なぜなら虫歯の痛みはかなり強烈だからです。歯周病にまったく症状がないわけではありませんが、症状として一番明確な要素である痛みをほとんど感じないため、歯周病は悪化しやすいという特徴があります。

それだけに、ある意味虫歯以上に予防の意識が重要な意味を持ち、またその予防は虫歯とはまた別の方法で行う意識を持つことも大切になります。

歯周病による症状と弊害

歯周病による弊害のうち、最も多いのが、歯を失わなければならないということです。また、歯周病菌が増殖していることから、口の中の状況は別の歯周病が起こりやすくなっていると考えられますので、別の歯周病ができるケースもひとつの弊害と考えることができます。

歯周病の症状

初期的な歯周病の症状は、歯肉の腫れです。腫れが大きくなると、やがて出血を見ることがあります。最も初期的段階では歯周病とは別に歯肉炎や歯周炎と呼ばれることが多いです。歯肉や歯槽に病巣が広がっていない段階における炎症はすべて歯肉炎、歯周炎です。しかし、歯周病菌によって歯肉や歯槽にまで病巣が広がると、その段階で歯周病になります。

腫れや出血という、気づかなければ気づかないままやりすごしてしまうような自覚症状なので、歯肉炎や歯周炎から歯周病へと移行するタイミングを判断するのは難しくなります。それだけに、できる限り歯肉炎、歯周炎の段階で歯周病菌による病巣を広げないことが歯周病の水際対策になります。

歯周病の具体的な症状

歯周病は、腫れや出血以外にもいろいろな症状が表れます。ここでは歯周病による具体的な症状について触れていきます。

口臭

たとえば、口臭はその典型的な症状です。歯周病は細菌によって症状が悪化しますが、ニオイを発する細菌は非常に多いです。たとえば、汗をかいたときにニオイがするのも雑菌が原因ですが、口の中でもこれと同じような現象が起こっており、結果的に口臭という症状が表れます。

口の中のネバつき

口の中がネバつく感覚があるとき、歯周病を発症している可能性があります。歯周病は、歯周病菌という細菌類が引き起こす生活習慣病です。歯周病菌が激しく増殖することで、口の中がネバつく感覚を覚えることがあります。ですから、口の中がネバついたときには、腫れや出血などの異常がないかチェックし、歯科検診を受けることが望ましいといえます。

ただし、口の中のネバつきに関しては、歯周病以外の怖い病気を発症している可能性もあります。もちろん歯科検診でもその原因を突き止める手がかりには十分なりますので、いずれにしても、口の中のネバつきがあるときには、歯科検診を受けることをおすすめします。

歯周ポケットの広がり

歯と歯肉の間には隙間があります。この隙間を歯周ポケットと呼びます。歯周病菌は歯周ポケットから侵入し、歯肉や歯槽に病巣をつくります。それによって、徐々に歯周ポケットが広がっていくという現象が起こります。特に、ある程度歯周病が進行してからのほうが、歯周ポケットは広がりやすいといえます。

歯周ポケットが広がると、そこからますます歯周病菌が侵入しやすくなり、これが歯周病の進行を助長します。するとますます歯周ポケットが広がるという悪循環が起こります。なぜなら、歯周ポケットの奥にまでは歯ブラシが届かないからです。それだけに、歯周ポケットを広げないためのケアが重要になります。

また、歯周ポケットに歯石が付着することによって、歯周ポケットが広がってしまうこともあります。歯周ポケットの広さ、深さについては、歯科検診で知ることができます。そのためには、歯科検診は定期的に受ける必要があります。また、歯石の除去のために定期的な歯の掃除が必要になります。歯科検診と歯の掃除をワンセットとすると効率的に歯科検診、歯の掃除を行うことができます。

歯の揺るぎ、ぐらつき、その他違和感

歯周病の末期的な症状として、歯の揺るぎやぐらつき、その他の歯の違和感を覚えるというケースは非常に多いです。歯周病の場合自覚症状がないため症状が進行しやすく、末期的な症状ではあっても、この段階になってはじめて歯周病などの何らかのトラブルが口の中で起こっているということに気づく患者さんも多いです。

歯の揺るぎやぐらつき以外では、歯が浮く感じがする、知覚過敏(冷たいものがしみる)、歯肉が痩せて見える、歯肉が下がって歯が長く見えるなどといった症状が見られます。いずれも歯周病がかなり進行してから見られる症状ですので、この段階で症状を自覚したケースでは、すぐにでも歯医者さんに相談してください。

重篤な疾患

歯や口の中のトラブルとはまったく無関係な弊害が歯周病によってもたらされることもあります。歯周病が非常に重篤な疾患の原因になってしまうこともあるのです。歯周病によって歯が失われることで、その影響が全身性疾患として現れることもあります。ただ、歯周病菌がは直接的に影響して重篤な疾患を発症することもありますので、注意が必要になります。

歯周病が起こる原因

歯周病は歯周病菌が引き起こす生活習慣病です。歯周病菌が増殖することが、歯周病の直接的な原因になります。では、歯周病菌とは何かということになるわけですが、実は、歯周病菌という特別な細菌が口の中に常駐しているわけではありません。

口の中には非常に多くの種類の雑菌が常駐しています。口の中に残っている食べかすや、唾液の成分のいくつかをエサとして増殖していきます。この雑菌の一部が歯周病の原因になります。その段階で、単なる雑菌ではなく、特に歯周病菌と呼ばれることになります。

歯周病と歯石の関係

歯石ができると、歯肉の血行が悪くなり、歯肉のトラブルの原因になります。これを放置するとやがて歯周ポケットが大きくなり、そこから歯周病菌が侵入し、歯周病を発症します。では、歯石はいったいどのようにしてつくられるのかということについてお話します。

歯石は、プラーク(歯垢の一種)が石灰化することによってつくられます。プラークは、細菌の塊のようなものです。プラークが石灰化するのは、唾液による作用です。唾液の分泌量が多い人は、プラークの石灰化のリスクが高まります。ただし、唾液には強い殺菌効果がありますので、一般的には唾液が多く分泌される人のほうが虫歯になりにくい、風邪をひきにくいなどのメリットが大きいとされます。

歯石が付着することで知覚過敏を防いだり、歯石ができやすいことで殺菌効果が高いために虫歯になりにくかったりするメリットもあります。ただ、やはり歯周病と歯石の関係は密接であると考えなければなりません。歯周病を予防するためには、できるだけ歯石を除去することが望ましいといえます。

歯周病予防のポイント

歯周病予防のポイントとして最も重要なことは、口の中の清潔を保つことです。口の中の清潔が保たれていれば、特別な事情がない限り雑菌が過度に増殖することはありません。雑菌が過度に増殖しなければ、歯周ポケットから雑菌が侵入して歯周病菌となるリスクは最小限に抑えられます。

また、雑菌の過度な増殖を防ぐことができれば、プラークの生成が最小限にとどめられます。とすると、プラークが石灰化して歯石がつくられるリスクも小さくなります。歯石が歯周病の原因のひとつになるということはすでに上でお話したとおりです。歯石をつくらないことが、歯周病を起こさないためには重要な条件になります。

歯周病予防のためにすべきこと

歯周病予防のためには、上記に挙げたポイントを押さえることが重要です。そのためにできること、すべきことがあります。まずは、歯科検診を定期的に受けるということです。歯科検診を受ければ歯の状態だけでなく、歯肉の状態や歯周ポケットの広さ、深さ、歯石の付着状況まで把握できます。特に治療の必要がなければ、歯石の付着状況によって歯の掃除(歯石の除去)を行うことも重要です。

上記は歯医者さんに行ってしてもらう、受動的な歯周病予防の方法になります。しかし実は、歯周病予防のための対策は自分(自宅)でも十分できるのです。まず挙げられるのは、小さいころから誰もが行う歯磨きです。歯や口の中の清潔を保つ基本は、やはり歯磨きにあると考えるべきでしょう。

歯磨きの方法や使用する歯ブラシにもケアが必要!

歯磨きとはいっても、文字通り歯を磨くのは、あくまでも虫歯の予防に限られます。歯磨きによって歯周病を予防するためには、歯だけではなく、歯肉も一緒に磨いていただきたいのです。

歯肉を磨くと、歯肉にマッサージ効果を与えることができます。歯肉のマッサージ効果は、歯肉の血行促進につながります。これによって、歯周病のリスクを小さくすることができます。ただし、歯肉のマッサージの際には注意すべき点があります。

歯肉に強い力を加えすぎてしまうと、歯肉が痩せてきてしまうリスクが高まります。歯肉が痩せると、知覚過敏などの新たなトラブルの原因になります。ですから、歯肉に強い力を与えすぎないように磨くことが大切です。

そのためにも、歯ブラシの毛はできるだけ柔らかいものを使用することが推奨されます。歯ブラシの毛が硬いと、どうしても歯肉にダメージが及びやすくなります。力を加えていなくても、歯ブラシの毛が硬いことで力を加えているのと同じ状況が歯肉に及ぶのです。

ですから、できるだけ歯ブラシの毛が柔らかいものを使用して、歯磨きや歯肉マッサージをしていただきたいと思います。

歯間ブラシの活用

歯周病の根本的な原因は、口の中の清潔が保たれていないところにあります。歯ブラシが届く範囲であれば、正しい歯磨きによってその部分の清潔は保たれます。しかし歯ブラシが届かないところはどうしても食べかすが残りやすくなります。歯と歯の間、すなわち歯間は、歯ブラシが届かず最も食べかすが残りやすい箇所です。

健常な状態であれば、歯間には歯ブラシが届きません。無理に歯間にまで歯ブラシを届かせようとすると、どうしても力が加わってしまい、歯肉にダメージを与えてしまうリスクが高まります。ですから、歯の間の清潔を保つためには、通常の歯ブラシ以外のツールに頼る必要があるのです。

そのツールが、歯間ブラシです。歯間ブラシを駆使すれば、歯の間の食べかすは完全に近いレベルで除去することができます。また、歯間の歯肉のマッサージ効果も得られますので、歯周病を予防するためにはぜひ歯間ブラシを利用していただきたいと思います。

歯は一生のものですから、そのケアは特に重要になります。そのためにも、歯周病を予防することが何よりも重要であるといえます。上記のポイントを押さえながら、虫歯ともどもぜひ歯周病を積極的に予防していただきたいと思います。

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