食べる順番が糖尿病と関係していた!食後高血糖を予防しよう!

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

現代人にとっての食事

日本人にとって血糖値の問題は、たとえ現状で何もなかったとしても、決して他人事では済まされない深刻さがあります。注目される血糖値の問題を解決する手段がないわけではありませんが、近年特に注目されるようになっているのが、食事を制限するのではなく、食事を摂取しながら血糖値の問題を解決していこうという発想です。

忙しい現代人にとって、食事というのは、もちろん楽しみのひとつであるとは思いますが、ただ、特に忙しいタイミングでの食事となると、楽しみでもなんでもなく、エネルギーとして、まさに生きて活動するためだけに食事を摂取するということが、誰にでも起こります。

しかし、普段の何気ない食事の中で、実は口に運ばれるそのひと口がとても大きな意味を持っていることも、特に健康とのかかわりにおいては非常に多いです。そう考えると、忙しいのはよくわかりますが、単にエネルギーとして摂取するだけではなく、食べることに対する知識も常に参照しながら食事をすると、いろいろメリットも多くなってくるのではないかという気がします。

今回は、そうしたメリットの中でも、生活習慣病とは大きなかかわりがある食後高血糖というところにテーマを定めてお話していきたいと思います。

食後高血糖について

常時血糖値が基準値よりも高い疾患である糖尿病に関する知識は、多くの人が共有しているとは思います。しかし食後高血糖ということばは、もしかしたらあまり多くの人に知られていないかもしれません。糖尿病を発症していようがいまいが、食事をすれば血糖値は上昇しますので、それ自体はそこまで問題ではないにもかかわらず、なぜ食後の血糖値がピックアップされるのかというところには、実は重要な意味が隠されているのです。

食後高血糖というのは、一般的に認知される高血糖とはまた違います。実は、食後高血糖という症状は、通常の血糖値上昇よりも激しく食後の血糖値が上昇する症状です。これが非常に大きな問題になるのです。糖尿病は、常時血糖値が高い病気ですが、単に血糖値自体を問題にするだけではなく、血糖値をコントロールする能力があるかどうかというところも含めて、糖尿病であるか否かにかかわるのが一般的です。

そのため、食後高血糖の傾向が強い患者さんも、現在普段の血糖値がそれほど高くなくても、近い将来糖尿病のリスクは非常に高いということになるのです。特に食後高血糖に注意が必要なのは、以下のケースが考えられます。

食後高血糖に注意が必要な人のタイプについて

食後高血糖を発症しやすい患者さんのタイプを認識しておくことは、非常に重要です。急激な血糖値の上昇は、身体に悪影響を与えることになり、しかも重度化するリスクが高いですから、食後高血糖には十分注意しなければなりません。

すでに糖尿病を発症している患者さん

現在すでに糖尿病患者であるという人は、現時点での罹患状況、進行度合いなどに関係なく、食後高血糖には十分注意しておく必要があります。糖尿病患者の場合、空腹時の血糖値がそこまで高くないのに、あまりにも急激な食後高血糖を発症することによって、重篤な糖尿病合併症を発症するリスクが高いです。ですから、現在糖尿病を発症しているという患者さんは、特に注意が必要であると考えられるのです。

糖尿病予備軍もしくはメタボリックシンドロームの患者さん

厳密な糖尿病ではないものの、糖尿病予備軍であると診断されたり、現在メタボリックシンドロームを発症していたりという人の場合、食後高血糖を発症することによって、動脈硬化のリスクが健常者より高くなると考えられています。結果的に、心筋梗塞や脳梗塞といった生活習慣病のリスクを高めてしまうことになりますので、糖尿病予備軍もしくはメタボリックシンドロームの患者さんは、食後高血糖には十分注意しておかなければなりません。

食後高血糖のリスクを回避する方法

上記でお話したとおり、食後高血糖には、遠い将来はもちろんですが、食後高血糖を発症した患者さんのタイプによってはごく近い将来に起こる高いリスクの可能性を視野に入れておかなければなりません。ですから、徐々に改善して・・・といった、上手に食後高血糖とつきあっていきましょう的な穏やかな注意・観察ではいけないという状況にあることを意識しておかなければなりません。

しかし、食後高血糖は、ある工夫によってそのリスクを回避することができると考えられています。しかも、病院に通いながら投薬治療をしたり、人工透析のような過酷な治療をしたりといったことではなく、ごく簡単な方法で、食後高血糖を改善することができる場合もあります。その方法とは、冒頭でも触れましたが、食べる順番に注意した食生活を送ることです。次以降で詳しくお話していきます。

ご飯を食べる前におかずを食べて食後高血糖を回避する!?

ふつうみなさんが食事を摂るときには、おかずを食べてご飯を食べるという、まあ言われなくてもそのようにすることが一般的であると思われますが、食後高血糖のリスクを回避するためには、ご飯を食べる前におかずを食べるという、食べる順番にこだわりを持つという方法が有効であると考えられているのです。

食べる順番を工夫するとはいっても、詳細なメニューがあって、これをマニュアルどおりに食べなければならないというような複雑なことではありません。単に、ご飯の前にいろいろ食べるということを意識する程度で、食後高血糖のリスクを回避することができる可能性が高まるというだけの話です。ですから、誰にでも簡単に取り組むことができる方法であるといえます。

糖尿病というと、食べてはいけないイメージが大きいですが、これはある意味食べて糖尿病を防ごうという発想に近いです。これについて、いくつかのパターンがありますので、さらに少し詳しくお話していきたいと思います。

ご飯の前に野菜類を食べるパターン

まずは、ご飯の前に野菜類を食べることで、食後高血糖のリスクを回避することができる可能性が高まります。野菜類といえば、豊富な食物繊維を摂取することができるという特徴がありますが、食物繊維が小腸に先に入ることによって、後から入ってくる炭水化物(ご飯)の吸収を遅らせることができるため、食後高血糖のリスクを軽減させることができるというメカニズムになります。

ご飯の前に魚類・肉類を食べるパターン

もうひとつのパターンとして、ご飯の前に魚類や肉類を食べるというパターンがあります。この方法でも、食後高血糖のリスクを回避することができる可能性が高まります。このパターンについてのメカニズムの解説に関しては、かなり専門的な難しい話になってしまうので、ここではあまり詳しくは触れませんが、簡単に言ってしまうと、ご飯に先立って魚類や肉類を食べることによって、インスリンを分泌させるホルモンが活発に分泌しやすくなるという特徴があるのです。

また、このパターンの食事であれば、血糖の上昇を抑制するホルモンも分泌するため、食後高血糖のリスクを軽減することができるようになります。ですから、肉や魚と一緒に野菜を食べてからご飯を食べるという順番を守ることによって、食後高血糖のリスクを回避することができる可能性を高められると認識して、食事をしていただきたいと思います。

ただし、おかずだけ先に食べて、ご飯だけを後から食べなければならないという意味では決してありません。とにかく、ご飯とおかずを同時に食べる従来の食事の順番ではなく、まずは野菜や魚、肉などをお腹に入れておいて、そのあと、ふつうの順番通り、おかずとご飯を同時に食べるという形で問題ないということです。

ただ、だからといって野菜、魚、肉だけを最初に1人前食べてしまって、そのあと追加でもう1人前ご飯のおかずとして食べるということは絶対に控えてください。食べるべき分量は増やさないことは、特に高血糖やメタボリックシンドロームの心配がある患者さんにとっては絶対です。この点だけは注意してください。

食べる順番を変えるというか、ほんのちょっとだけ見直すというだけのことですが、場合によっては非常におそろしい事態を招きかねない食後高血糖のリスクを回避することができるわけですから、食後高血糖の傾向がある人には、ぜひ積極的に上記の内容を実践していただきたいと思います。

もちろん多くの人にとって、食事に関する新しいチャレンジとなることは間違いないとは思いますが、お読みいただいておわかりのとおり、決して難しい方法ではありません。ぜひ積極的にこの方法を採用して、食後高血糖のリスクをできるだけ回避していただきたいと思います。

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