虫歯だけではない!非常におそろしい歯周病についてのデータ!

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

虫歯に関する年齢別データ

虫歯と歯周病に関するデータについてですが、まずは虫歯のほうから見ていきたいと思います。虫歯に関しては、ちゃんと歯磨きをするという意識があって、正しく歯を磨けているかどうかが大きく影響します。とすると、年齢が虫歯の傾向に大きく影響するはずです。ということで、まずは年齢別でデータをご紹介していきます。

データは平成23年度のもので、年代別の虫歯の本数についての数字です。本数のデータは、現在ある虫歯と過去の治療本数の総和になりますので、当然徐々に増加の傾向を示すことになります。

  • 5歳以上10歳未満・・・0.2本
  • 10歳以上15歳未満・・・1.0本
  • 15歳以上20歳未満・・・3.2本
  • 20歳以上25歳未満・・・5.7本
  • 25歳以上30歳未満・・・8.3本
  • 30歳以上35歳未満・・・10.3本
  • 35歳以上40歳未満・・・11.5本
  • 40歳以上45歳未満・・・11.8本
  • 45歳以上50歳未満・・・13.7本
  • 50歳以上55歳未満・・・13.6本
  • 55歳以上60歳未満・・・13.4本
  • 60歳以上65歳未満・・・12.2本
  • 65歳以上70歳未満・・・11.7本
  • 70歳以上75歳未満・・・10.2本
  • 75歳以上80歳未満・・・10.2本
  • 80歳以上85歳未満・・・8.1本
  • 85歳以上・・・6.9本

現在および過去に虫歯を経験した歯の本数は、45歳以上50歳未満の年代をピークとして、以降の年代では徐々に減少傾向にあることがわかります。これは、虫歯にかかっている、あるいは過去にかかったことがある歯を失ってしまったという可能性が考えられます。虫歯を発症して、これを深刻な状況になるまで放置すれば、当然歯を失わなければならなくなります。乳歯であればそれも大人になるための過程ととらえることができますが、しかし永久歯ともなると、これは深刻なダメージであるといわなければなりません。

ただ、歯を失う原因となるのは、虫歯や事故などの外的な要因ばかりではありません。歯を支える土台が発病することによって、歯を失わなければならなくなることのほうがむしろ多いと考えられます。その病気とは何かというと、おそらくみなさんもご存知の、歯周病という生活習慣病になります。

それでは、次のところでは歯を失うリスクがある歯周病に関するデータを見ていきます。

歯周病に関するさまざまなデータについて

虫歯同様、平成23年のデータをご紹介することにしましょう。この年歯周病(歯肉炎を含む)に罹患していた患者さんの数は非常に多く、265万7000人を数えました。男女別で見てみますと、男性が108万4000人であるのに対し、女性が157万2000人にものぼるということで、意外にも、女性の歯周病患者の数は男性の患者数にくらべて約1.45倍にのぼるというデータが公表されています。

飲酒や喫煙とも密接に関係すると考えられている歯周病ではありますが、意外にも飲酒・喫煙で圧倒的に多いはずの男性よりも、女性のほうがむしろ圧倒的とも言えるレベルで歯周病を発症しているというのは、どこに原因があるのかを考察すべきデータであるといえるのかもしれません。

ひとつ思い当たることがあるとすれば、男性にくらべて女性のほうが甘いものを好むイメージがある、というところでしょう。ただ、甘いものというのはあくまでも虫歯にかかりやすいということであって、歯周病とはそこまで深く関係があるようには感じませんので、やはりこの結果は、やや不思議な印象があります。

しかし一説によると、ホルモンの働きによって、男性よりも女性のほうが歯周病を発症しやすいといった考え方も近年は採用されるようになってきています。もちろんだからといって、男性が歯周病にならないということはありませんので、男女問わず、しっかりと歯周病予防をする必要があるということだけは間違いありません。

歯周病の有病率についてのデータ

ここでは、歯周病の有病率を年齢別にチェックしていくことにします。有病率というのは、少なくとも1本の歯の歯肉に歯肉炎を含む歯周病が認められる率を意味します。歯周病の有病率は、20代の男女ですでに70%にものぼります。30代~50代になると、その率は80%にまで増加します。

さらに60歳代ともなると、なんと10人中9人に相当する90%の人が歯周病(歯肉炎を含む)を発症しているということになるわけですから、高齢化社会となった現在の日本においては、このデータを見る限りでは、歯周病はもはや国民病であるといっても過言ではないでしょう。

なお、いわゆる歯周病ではなく、歯肉炎だけに絞ってデータを詳細に分析したところ、歯肉炎が認められている患者さんの割合は、23.1%にのぼるということでした。こちらのデータに関は平成26年のデータになります。平成16年、平成21年からの推移では、減少の傾向にあるということです。

歯科診療の医療費についてのデータ

それではここからは、歯科診療の医療費についてのデータをご紹介しましょう。平成25年のデータになりますが、歯科診療全般で計上された医療費は、2兆7368億円にのぼりました。これは、国民の医療費全体の6.8%に当たる額になります。歯科診療というイメージ以上に、かなりの額が費やされていることになります。

ちなみに平成24年のデータによりますと、歯科診療の医療費は2兆7132億円にのぼりました。これは平成24年度の総医療費に対して6.9%の割合を占めていましたが、歯科診療に要した医療費は、平成24年から平成25年にかけて236億円の増加が見られました。ただし、国民の総医療費に対する歯科医療皮の割合は、0.1ポイント減少しています。

歯周病(歯肉炎を含む)の受診率についてのデータ

歯肉炎を含む歯周病は、一般的には生活習慣病の一種であると考えられることが多いですが、生活習慣病の大きな特徴は、年齢の上昇に比例するように、その罹患率・発症率が増加していくということです。ところが歯周病に関しては、必ずしも年齢と罹患率・発症率は比例関係にありません。

少し古いデータになりますが、平成17年の調査によりますと、歯周病の治療のために歯科医院などの医療機関で受診した患者さんの割合が最も多かったのは、60歳以上70歳未満の年代で、10万人あたり917人という割合になっています。次いで、70歳以上80歳未満が808人(10万人あたり・以下同)、次に50歳以上60歳未満が711人、さらには40歳以上50歳未満で527人、そして80歳以上90歳未満で406人というデータになっています。

また、歯周病関連の受診率の時系列の推移は、平成8年から平成11年まではわずかに減少し、この間10万人あたり190人~180人前後の推移でした。しかし平成11年以降は右肩上がりに増加し、平成14年には10万人あたり200人を超え、平成17年には10万人あたり250人に達するレベルまで増加しています(なお、時系列の受診率推移のデータは平成17年の調査によるものです)。

歯の保有率に関するデータについて

成人の歯の数は、親知らずを除けば、上下合わせて28本が標準的な本数であると考えられています。ただし、親知らずは必ずしも抜く必要がない場合もあるため、28本でなければならないことはありませんし、28本よりも少ない本数の人もいるといわれています。ただし、虫歯や歯周病によって、大切な歯を失わなければならなかったというケースも珍しくありません。特に、歯周病によって歯を失う人は非常に多くなっています。

そこで、自分の歯をどのくらい保有しているのかを基に、歯や歯肉の健康状態を年齢別に示したデータから、ちょっと珍しい見方で歯周病を分析してみることにしました。次にご紹介するのは、平成26年のデータで、自分の歯を20本以上保持している人の割合を数値化したものです。

この年の調査では、自分の歯を20本以上保持している人の割合は72.8%という結果になりました。しかしこれは、逆に言えば27.2%の人が、8本前後の歯を何らかの形で失っていることを意味します。そういった意味では、歯の喪失率はかなり高いといわなければなりません。

ただ、歯の保有率自体は、平成16年、平成21年から継続して増加の傾向にあります。しかしそうは言っても、これからますます加速する高齢化社会を想定すると、今後も保有率の増加が継続するとは考えられないため、虫歯や歯周病への予防にさらなる力を注ぐ必要があるということにはなるでしょう。

歯科検診の受診率に関するデータ

もうひとつ興味深いデータをご紹介しておきましょう。平成24年のデータによりますと、歯科検診を1年間に受診した経験があるという人は、全体の47.8%にとどまっています。歯科検診をすることによって、虫歯や歯周病などの検査を行うことができ、また、歯周病の原因となる歯石除去などのケアを行うきっかけにもつながりますので、歯科検診は非常に重要な意味を持つといえます。

上記の歯科検診の受診率の低さが、日本を歯周病大国にのし上げてしまっている最大の原因になっているとも考えられます。忙しい現代人にとっては、歯科検診の時間をつくるのもなかなかたいへんであるとは思いますが、何とか時間をつくって、積極的に歯科検診を受診していただきたいと思います。

ここまで、歯周病をはじめとするさまざまなデータを見てきましたが、やはり今後高齢化社会が加速するということを考慮に入れて、歯科予防の分野でもっと力を注がなければならないといったタイミングに、そろそろ差し掛かってきているのではないかという印象が強いです。

そのために、まずは個人で今できることをしっかりとやっていこうという意味で、定期的に歯科検診を受診していただきたいという思いは強いです。上記のデータからもわかるように、通年で歯科検診を受けている日本人の割合はわずか半数前後にとどまるわけですから、これは非常に危険な傾向であるといわざるを得ないでしょう。

理想を言えば、少なくとも半年に1回くらいのペースで、歯科検診を受診していただければという気がします。また、歯医者さんにもそういった見解を示す歯医者さんが多いという印象があります。今回のデータを参考にしていただき、みなさんで歯周病の予防にさらなる力を注いでいきましょう。

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