歯周病もおそろしい生活習慣病!歯周病ケアをしっかりとしよう!

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

生活習慣病のひとつ・歯周病とは

歯周病は、生活習慣病のひとつに数えられます。がんや糖尿病など、命に直接影響を与える生活習慣病と違って、比較的小さな疾病であるように感じられるのが歯周病です。それゆえ、意外と歯周病という病気がどういった病気なのかということについて正しく理解していない人は多いです。そこで、まずは歯周病をしっかりと定義づけするところから、生活習慣病としての歯周病を考えてみたいと思います。

歯周病の定義とは

歯の病気というと、真っ先に思い当たるのが、虫歯でしょう。もちろん虫歯も非常におそろしい病気であることは間違いありません。虫歯の場合、なり強い痛みを伴うことが多い病気であるため、歯を失ってしまうレベルまで放置することのほうがむしろ難しいといえます。しかし、歯周病のほうは、かなり症状が進行するまで痛みや違和感が表れない病気です。そのため悪化しやすく、放置が病巣を大きくしてしまい、最終的に歯を失ってしまうケースも多いです。

まずは歯周病をしっかり定義づけするところからスタートしましょう。歯周病とは、歯ぐきや歯骨をはじめとする歯周組織(歯を支える役割を担う組織)に炎症が起こる病気の総称です。たとえば、歯肉炎や歯周炎が歯周病の最も典型的な病気であり、歯周炎が悪化することで、歯がぐらつきはじめ、修復が不可能なレベルにまで病巣が大きくなると、抜歯以外に方法がなくなります。

これが、歯周病の定義とその概要ということになりますが、もう少し細かい説明を以下に加えていきたいと思います。

歯周病の病態について

上でも触れましたが、歯周病は、あまり強い痛みを生じないため、発症まもなく歯周病であることをセルフチェックによって知ることがなかなか難しい病気であるといえます。それだけに、時間をかけて歯周病が進行してしまうというケースが非常に多いです。歯周病が進行すると、歯ぐきからの出血を伴うようになります。やがて歯がぐらつきはじめると、すでに歯周組織の病巣はかなり大きくなっており、修復不可能なレベルに達している可能性が高い状況であるといえます。

歯周病が生活習慣病であるといわれる理由はいくつか考えられます。私は歯磨きだってちゃんとしているから虫歯にはなっていないのに、なぜ歯周病になってしまったんだろう・・・という人は少なくありません。自身の判断では、ちゃんと歯磨きができていると感じているようでも、残念ながら、歯磨きができていないというケースが、歯周病を発症する理由として最も典型的であると考えられます。

歯周病菌とプラーク(歯垢)

私たち人間の口の中には、雑菌がたくさん常駐しています。口臭に悩む現代人は多いですが、口臭の有力な原因のひとつであるとされるのが、その雑菌です。雑菌は、人間の口の中に残っている食べかすなどをエサにしながら生きながらえているわけですが、歯磨きをきちんとしている人ならば、基本的にはそうしたたべかすを除去することができますので、雑菌が必要以上に増殖することはそうそうありません。

ただ、歯磨きをしっかりとしないと、雑菌が歯周病菌と名を変えて、歯肉の周りの歯周組織に巣をつくります。これがいわゆる歯周ポケットと呼ばれる歯と歯ぐきの間のスキマです。歯周ポケットの深さが歯周病の進行を示すひとつの目安となっており、歯周ポケットが深ければ深いほど、歯周病が進行していることを表しています。

歯周ポケットが深くなってしまう原因、つまり、歯周病を進行させてしまう一因となっているのがプラーク(歯垢)です。はじめは食べかすをエサにした雑菌が歯周病菌となって歯周ポケットをつくることになるわけですが、そのスキマにプラークが入り込んでしまうことにより、歯周ポケットは歯周病菌の温床になります。プラークも歯周病菌のエサになりますので、歯周ポケットという巣がある上にエサまであるわけですから、歯周病菌にとって歯周ポケットは非常に居心地のよい場所なのです。

とすると、歯周病菌は歯周ポケットで増殖を繰り返すことになります。その際に歯肉が炎症を起こすと、さらに歯周ポケットは深くなっていきます。歯を支える歯肉が深くえぐり取られるわけですから、歯周病はこの時点で相当進行しているということになるのです。

だからこそ、しっかりとした歯磨きは重要なのですが、ところが、歯磨きを十分こなしていても、歯周病を発症するというケースは少なくありません。

歯周病の予防方法と治療方法

上でお話してきたとおり、歯周病の予防の最大の手段といえるのが、歯磨きです。まずは、食べかすを完全に落とし、雑菌のエサを残さないことが大切です。それによって、歯周病菌の増殖を最小限にとどめることができます。ただ、それ以外にも歯周病を予防するためには必要なことがありますので、ここではその予防方法と、歯周病の治療方法についても合わせてお話していきます。

歯周病の予防方法について

歯周病の大きな特徴のひとつであるのが、歯ぐきが痩せてしまうことです。たとえば喫煙習慣によって歯ぐきが痩せてしまうことはよくあることですから、歯周病予防のためには禁煙をするとよいともいわれます。タバコの場合、百害あって一利なしといわれるくらいですから、仮に何らかのメリットがあったとしても、デメリットのほうがはるかに大きく、当然歯周病の予防についてもそれは同じことが言えます。

また、歯周病の予防として、歯磨き以外で非常に重要な方法のひとつは、お近くの歯医者さんに行って、歯の掃除をしてもらうことです。ここでいう歯の掃除というのは、歯石と呼ばれる石のような物質を取り除くことです。歯石は、歯周ポケットの内部に残ってしまうプラークと唾液による反応によってつくられる、非常に頑丈な物質ですから、歯磨きをしただけでは除去することはできません。

歯石の生成プロセスと歯石除去の重要性

歯の表面にできるプラークであれば、歯磨きをいつも以上にしっかりとすることによって除去することができますが、ただ、歯周ポケットの奥深くに残ってしまったプラークに関しては、歯磨きをしたところで簡単に除去することができません。これが唾液との反応によって、歯石を生んでしまいます。

歯周病が進行することによって歯ぐきが痩せてきてしまうと、歯の神経が健常時よりも敏感になります。この状況が、いわゆる知覚過敏と呼ばれる状況です。ところが、歯石が神経を保護するような役割を果たし、知覚過敏を回避することができるといった不思議な現象も起こるのです。しかし歯石によって歯ぐきの血行を促進し、将来までご自身の歯を支えうるだけの歯ぐきを維持することができなくなってしまうリスクは上昇します。ですからやがり、歯石は除去したほうがよいのです。

また、小さな歯石がつくられてしまうと、唾液による石灰化の働きにより、どんどんその部分の歯石が大きくなってしまいます。そのため、できるだけ早い段階で歯石を除去することが望ましいといえます。

以上から、定期的に歯科検診を受診し、その際に歯の治療の必要がなければ、その時点で歯石の除去を行うことが非常に重要になります。

歯ブラシによる歯ぐきのマッサージング効果

もうひとつ、歯周病を予防する上で、自宅でできるという意味で重要な考え方があります。それは、歯を磨くという発想と同時に、歯ぐきを磨くという発想を取り入れることです。歯ぐきを磨くなんていう話は聞いたことがないという人もいると思いますが、しかしこれは非常に重要なことです。歯ぐきを磨くと、歯ぐきのマッサージ効果がありますので、歯ぐきの血行の促進が行われます。つまり、磨くことによって歯ぐきの健康を増進することができるのです。

もちろん、歯ぐきを磨くことで、痩せて下がってしまうのを食い止めることができますし、マッサージングによって歯ぐきが引き締まってくると、歯周ポケットもできにくくなります。したがって、歯周病にかかりにくくなるというメリットを得ることができます。ただし、硬い剛毛の歯ブラシでそんなことをしてしまってはたいへんです。

歯ブラシはできるだけ柔らかい毛のものをつかうようにします。柔らかいほうが、しっかりと歯間にもフィットしますし、歯ぐきのマッサージングの際には絶大な効果があります。歯ぐきのマッサージングの際に、硬い毛の歯ブラシをつかったり、あるいは力を入れてゴシゴシやりすぎたりすることで、歯ぐきは痩せてしまいますので、完全に逆効果になります。ですから、柔らかい毛の歯ブラシで、やさしく、しかししっかりとマッサージングしましょう。

歯間ブラシの活用も非常に有効

もうひとつ、歯間ブラシを活用することも歯周病の予防に大いに役立ちます。歯のスキマというのは、どうしても食べかすが残ってしまうため、その間に虫歯ができやすくなります。まずは、歯の間の食べかすを除去することによって、虫歯を予防するという効果が得られます。しかし、歯間ブラシを使用するメリットは、虫歯の予防だけにとどまりません。

上でお話したマッサージングは、あくまでも歯ぐきの表面という意味は非常に有効です、ただ、歯の間の歯ぐきをマッサージすることはできません。無理に力を加えれば、歯の間の歯ぐきに対してマッサージングの効果を得ることができるはずですが、しかし残念ながら、力を加えすぎた部分の歯ぐきが痩せるという、歯周病予防という意味では非常に大きなデメリットになってしまいます。

そういうときには、やはり歯間ブラシで食べかすを取り除くと同時に、しっかりと歯の間の歯ぐきをマッサージングするという手法が非常に有効です。ぜひ歯間ブラシを活用していただきたいと思います。ただし、歯間ブラシのサイズは、はじめて使用する人には判断がつかないと思いますので、お近くの歯科医院にいって、ご自身の歯間のサイズに合った歯間ブラシを教えてもらうことをおすすめします。

歯周病の治療方法について

歯周病は、初期的段階であれば、上記の予防方法がすでに治療にもなります。歯ぐきをもう一度鍛えなおすといったニュアンスで、ぜひ上記の予防方法を導入していただきたいと思います。ただ、歯周病が進んでしまった場合については、上記の方法だけでは治療できない場合がほとんどです。

治療が可能かどうかのひとつの目安になるのが、歯が揺らいでいるかどうかです。歯の揺らぎが生じてから歯科医院にいって歯周病の治療を行うことになると、抜歯しか方法がないと診断されてしまう可能性が高いです。ですから、できるだけ早く歯科医院にいって相談するということが重要になります。

歯の揺らぎが出ていない段階であれば、歯周ポケットに詰めるタイプの薬もありますので、もしかしたら歯周病が改善できるかもしれません。そういった対処のためにも、とにかく歯周病の治療は早期にスタートすることが重要であるといえるでしょう。また、発症した歯周病を進行させないための予防を毎日しっかりと行うことも重要です。

歯周病が与えるさまざまな影響

歯周病を発症することによって、最も深刻な影響が、歯を失うことです。これに関しては誰もがよく知るところですから、今さら驚くようなことはないでしょう。ただ、実はさらにもっとおそろしい余波が歯周病によってもたらされることもあるのです。今回は、そういった意外な歯周病の余波についてお話していきたいと思います。

歯周病が他の病気を招く理由

歯周病によって、歯を失うという以外に、全身性の病気を招くことが近年指摘されています。その理由は、大きく分けて3つ考えられます。以下をご覧ください。

  • 理由① 噛み合わせの不具合が生じるから
  • 理由② 歯周病菌による悪影響が生じるから
  • 理由③ プラークが血管内に侵入する場合もあるから

上記の3つの理由から、全身のいろいろなところに疾患がおよぶリスクが、歯周病にはあるのです。

噛み合わせの影響は、かなり昔から言われてきましたが、このことは歯周病と糖尿病の関係が密接であるという事実ともどうやら関係しているようです。もちろん噛み合わせの問題は、歯周病であるかないか以前の問題ですから、糖尿病以外の病気を招く原因になっているケースも珍しくはありません。ただ、歯周病を患っている人からすると、やはり糖尿病との関係は疑ってかかったほうがよいでしょう。

また、歯周病菌が動脈硬化のリスク因子となることが近年わかってきているのです。動脈硬化が原因となって命の危険をもたらす生活習慣病を発症することは周知のとおりですから、これは深刻な事態です。たとえば、狭心症や心筋梗塞といった心疾患が、歯周病菌を原因とした動脈硬化から起こると考えられています。

そして、問題はプラークが血管内に侵入するというケースです。プラークが脳の血管に詰まってしまった結果、脳梗塞を発症するという事例も報告されています。このように、歯周病が思わぬ病気の間接的な原因になっているという事実は、しっかりと認知しておくべきことであるといえるでしょう。

今回は歯周病に関していろいろお話してきました。歯周病に関しては、一生お世話になる歯との密接な関係があるため、できるだけの予防をしていただき、少しでも長くご自身の歯を維持していただきたいと思います。

また、命の危険を及ぼすレベルの別の生活習慣病を招くリスクが高まるというのも、歯周病の大きな特徴です。近い将来、遠い将来のためには、やはりできるだけ歯周病を予防することが重要であるといえます。みなさんもどうかがんばって、歯周病の予防をしていただきたいと思います。

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