骨粗鬆症のみならずロコティブシンドローム、サルコペニアにも注意!

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

骨粗鬆症・ロコティブシンドローム・サルコペニアの定義

高齢者を中心に、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を発症するという問題が近年深刻化してきています。骨粗鬆症については、いわゆる骨密度の低下によって、骨がもろくやわらかくなる病気です。骨がもろくやわらかくなるというのは、イメージとしては、骨がスカスカな状態となり、骨折しやすくなるということです。

ただ、実は骨粗鬆症以外にも、骨粗鬆症と関係がある骨格に異常をきたすロコティブシンドロームや、筋肉量の減少、筋力の低下の問題であるサルコペニアと呼ばれる病気があります。どちらも生活習慣病に分類される病気です。まずはそれぞれの病気の定義を共有しておきたいと思います。

骨粗鬆症とは

骨の丈夫さの指標となるのは、実は骨密度ではなく、骨量(骨塩量)と呼ばれる数値です。骨量は、20歳前後をピークとし、それ以降徐々に低下していくとされています。骨粗鬆症は、骨の強さを失うことによって骨折してしまう病気ですから、骨粗鬆症が高齢者に多くなるのは、単純に骨量の減少が最大の原因であると考えられます。

もちろん、骨密度が骨粗鬆症と無関係ということではありません。特に閉経後の女性に見られるのが、骨密度の低下です。年齢を重ねれば重ねるほど、特に女性にとっては、骨粗鬆症を発症しやすい環境におかれるということにはなるわけです。そして、この骨粗鬆症という病気が、特に女性の場合は生活習慣病であると考えられるケースが多いのです。その理由は、以下のとおりになります。

やはり若い女性は、キレイになりたいという欲求が特に強いですから、やや無謀なダイエットに励むケースも多くなります。若いうちに必要な栄養素が不足してしまった結果、年齢を重ねてから骨粗鬆症という形でその弊害が表面化することになります。だからこそ、女性に多いと考えられる骨粗鬆症は生活習慣病に分類されるのです。

ロコティブシンドロームとは

ロコティブシンドロームは、筋肉、骨、関節におよぶ問題の総称的な病名です。そのため明確な病気ではなく、シンドローム(症候群)という形で近年認識されるようになってきています。ロコティブシンドロームの場合、問題が起こる箇所が箇所ですから、重度化すると自力の歩行、移動などが難しくなるため、将来的には要介護者となってしまうことが非常に多いと考えられています。

サルコペニアとは

サルコペニアは、筋肉の減少、筋力の低下が顕著になっていく病気です。サルコペニアの場合、骨粗鬆症やロコティブシンドローム以上に生活習慣病の要素が大きいといえる病気です。というのも、やはりダイエットを目的とした食事摂取量の制限や、また、若いころに極端な運動不足がたたってしまった結果として、サルコペニアを発症するケースが多いです。だからこそ、骨粗鬆症よりもロコティブシンドロームよりも、生活習慣病としての側面が大きい病気なのです。

しかも、筋力が徐々に低下しますから、本来運動しなければいけない状況でありながら、運動ができないという悪循環を生じやすい病気であるといえます。そういった意味では、生活習慣病としての側面が大きい病気であると同時に、一度発症してしまうと、サルコペニアはこれを生活習慣の改善による治療が難しい病気であるとも言えることになります。

骨粗鬆症・ロコティブシンドローム・サルコペニアの病態について

骨粗鬆症、ロコティブシンドローム、サルコペニアは、いずれも骨格(形成)、筋肉疾患といった整形外科の分野ですが、その病態に関しては、それぞれで大きく異なります。そのためそれぞれについて説明が必要になります。

骨粗鬆症の病態

骨量(骨塩量)の低下が骨粗鬆症の最大の要因になるわけですが、これに加えて、特に閉経後の女性に顕著に見られる骨密度の低下により、骨粗鬆症はかなり深刻な病態になります。基本的に、強い衝撃を与えることで骨折してしまうというのが骨粗鬆症です。

私たちが日常暮らす上では、実は若いころからかなり強い衝撃を身体に受けてきていたりします。もちろんその衝撃の角度や打ちどころによっては骨折などの大けがをすることもあります。ただ、かなり強い衝撃ながらも、骨折に至らなかったといった過去の経験が、骨粗鬆症を発症したと同時にすべてクリアされてしまうという点で、骨粗鬆症は怖さがあります。

たとえば、勢いよく椅子に座ることなど当たり前のことですから、それが習慣化している人も多いでしょう。しかし、骨粗鬆症の人がそういう座り方をすると、衝撃によって骨折するリスクがあるのです。当たり前に行う習慣を急に禁じられることほど対処が難しいことはありません。しかし骨粗鬆症の場合、そうした対処が必要になるのです。

また、あまりにも骨密度が低下しすぎてしまうと、たとえばくしゃみをしただけで骨折したり、重いものを持つだけで腰骨や背骨といった根幹となる骨格を損傷してしまったりといった深刻な症例も紹介されていますので、注意が必要になります。

ロコティブシンドロームの病態

ロコティブシンドロームの場合、脳疾患を疑われるような病態が見られるというのがひとつの特徴になります。というのも、たとえば、片足だけで立っていられない、靴下やズボンを穿くことが困難になるといった前兆が表れることが多くなります。もちろん、これらの症状のすべてがロコティブシンドロームにつながるというわけではありませんし、仮にロコティブシンドロームを発症していたとしても、すべてが重度化するというものでもありません。しかしいずれにしても、そういった症状が見られたら、念のため整形外科で検査してもらうということが重要ではあります。

サルコペニアの病態

病態というか、ひとつの傾向ではありますが、比較材料としていえることは、太っている人よりも痩せている人に多く発症すると考えられているのが、サルコペニアという病気の大きな特徴になります。一般的には、生活習慣病の場合は特に、痩せている人以上に肥満気味の人、メタボの人が発症しやすいものですが、サルコペニアについてはそういった一般論が通用しないと言えます。

ただし、これはあくまでもひとつの傾向であって、肥満やメタボリックシンドロームなどを発症している人がサルコペニアを発症しないということではありません。それに、やはり他の生活習慣病のことを考えたときにはどうしても肥満やメタボの人のほうがリスクは高まりますので、そういうところまで考えると、やはりサルコペニアだけに注目せず、肥満症やメタボリックシンドロームは早目に解消すべきであるといえるでしょう。

骨粗鬆症・ロコティブシンドローム・サルコペニアの予防方法と治療方法

一般的にこれらの生活習慣病は予防が難しいと考えられています。しかし予防方法がないわけではありませんので、できる限り予防の意識を持ちながら生活を送りたいところです。ただし、高齢者に多いこれらの生活習慣病の予防は、若いうちから必要な予防でもあるので、早い時期からの意識が大切であるといえます。

これらの生活習慣病は、互いに関係しあっている部分が大きいため、まとめて予防方法、治療方法について見ていきたいと思います。

骨粗鬆症・ロコティブシンドローム・サルコペニアの予防方法について

若いうちから必要な栄養分をしっかりと摂取することが重要です。特に女性の場合、やはり多くの人が若い時期に過度なダイエットにチャレンジしようと試みる傾向がありますが、これによって、将来的な骨粗鬆症・ロコティブシンドローム・サルコペニアを発症するリスクが高まります。

また、運動不足が慢性化することで、骨粗鬆症・ロコティブシンドローム・サルコペニアのどの症状も非常に起こりやすくなると考えられています。ですから、運動量とこれらの生活習慣病のリスクは互いに反比例するところもあると考え、運動量が増えれば、これらの生活習慣病の発症リスクは軽減されると考えていただきたいと思います。

しかしそうかといって、無理な運動だけは絶対にするべきではありません。できることなら、ストレスを解消できるような、快適な運動を継続的にしながら、これら3つの生活習慣病の予防をしていただきたいと思います。

骨粗鬆症・ロコティブシンドローム・サルコペニアの治療方法について

骨粗鬆症・ロコティブシンドローム・サルコペニアの治療は、身体の内外からのアプローチが必要になる場合が多いです。骨格や筋肉に関係する生活習慣病ですから、身体の内側からのアプローチに関しては、やはり骨を強くする成分を摂取するという方法が考えられます。骨を強くする成分というと、当然カルシウム(Ca)が最もポピュラーです。

それ以外にも、骨の成長を促す成分といわれるビタミンDの摂取が有効であるといわれます。ビタミンDは、日光を浴びると皮膚上で生成されるという特徴もあります。もちろん紫外線の影響を受けるレベルの直射日光はNGですが、できるだけ継続的に日光を浴びることも必要になります。

そして、身体の外側からのアプローチについては、もちろん身体に直接何か特殊な器具を装着するということではありませんが、まずは、転倒を避けるための工夫や注意が必要になるということは間違いありません。ロコティブシンドロームやサルコペニアは、筋力が低下したり、関節の可動域が小さくなったりしますので、転倒のリスクが高まります。ロコティブシンドロームやサルコペニアを発症した時点で、骨粗鬆症もすでに発症しているという人の場合、転倒だけは絶対に避けなければなりません。

ですから、たとえば杖をつかう、手すりのあるところでは手すりをつかう、歩行のスピードを抑えるといった、転倒しないような工夫をすることが重要であるといえます。

ここまでは、骨粗鬆症をはじめとする骨格、筋肉、関節などにかかわる生活習慣病についてお話してきました。もちろん上記でお話してきたように、これらの生活習慣病を発症してしまったとしても対処法がないわけではありません。ただ、このタイプの生活習慣病は、治りにくいというか、治療しづらい側面もありますので、できることならしっかりと予防をするという考え方が重要です。

予防のためには、ある程度若い時期からのケアが重要になります。特に、これまでにも再三お話してきましたが、若い女性の過度なダイエットはこれらの生活習慣病の最大の原因になりますので、将来のことを考え、自制する気持ちが大切であるということになります。

ということで、若い女性には、身体的にも精神的にも、どうか強くあっていただきたいと願います。

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