肥満症やメタボリックシンドロームの動向はどう変化しているのか

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肥満(症)・メタボリックシンドロームとBMIについての説明

肥満(症)とは何か、そしてメタボリックシンドロームとは何かということについて、太っているというだけでなんとなく片づけてしまうことが多い印象もあります。しかし実は、肥満であるか否かを判定する上では、BMIという医学的数値がひとつの明確な基準になっています。もちろん、BMIについてはご存知の人が多いと思いますが、肥満やメタボリックシンドロームに関するデータを検証する前に、まずはBMIについて、改めて説明しておきたいと思います。

BMIというのは、BMI=体重(kg)÷身長(cm)÷身長(cm)の式で求められる医学的数値です。この数値が18.5未満である人は低体重(痩せすぎ)、18≦BMI<25である人は普通体重(適正値)、そして25以上の人は、いわゆる肥満ということになります。BMIが25以上で、さらに、体重超過による何らかの健康的問題が生じている人を特に、肥満症と呼びます。

では、メタボリックシンドロームはどうかというと、厳密には特にBMIとの関係はありませんが、肥満や肥満症にならないように、さらには、肥満などから波及するおそれがある生活習慣病にならないように注意すべきであるという意味で、メタボリックシンドロームという、肥満とは別の症候群が定義づけられています。

それでは、ここからは肥満やメタボリックシンドロームに関するいろいろなデータを検証していきたいと思います。

肥満(症)・メタボリックシンドロームにまつわるさまざまなデータについて

健康意識や美容意識が非常に高まってきている日本人男女ですから、やはり、どのくらいの割合で肥満や肥満症、さらにはメタボリックシンドロームを発症しているのかに関しては、自分がそこに当てはまっているか否かにかかわらず興味を持っている日本人は多いでしょう。

平成26年のデータによりますと、肥満を発症している(BMIが25以上の)日本人は、男性が28.7%、女性が21.3%でした。これは、だいたい日本人の4人に1人の割合で肥満を発症しているということを示すデータです。

逆に、BMIが18.5未満である、いわゆる痩せすぎにあたる人は、男性がわずか5.0%、そして女性が全体の1割をはじめて超えて、10.4%にものぼるというデータが公表されています。では、ここ10年の肥満、痩せすぎそれぞれについての推移についても検証してみましょう。

健康意識、美容意識が高まっているだけに意外な感もありますが、肥満に関するデータでは、男性も女性もこの10年ではそれほど大きな変化がないということが公表されています。これに対し、痩せすぎの人に関しては、特に女性が、ここ10年で多少増加しているということがわかっています。このあたりは、健康意識というよりは美容意識の高まりがそういう結果を招いているといえます。特に深刻なのが20代の女性で、実に17.4%にものぼる女性が痩せすぎというデータになっています。

10代、20代といった若い時期に必要な栄養を摂取できていないと、若い時期の栄養不足による将来への影響(たとえば骨粗鬆症など)が非常に懸念されるといわなければならないデータですので、これに関しては、若い女性にはぜひ改善していただきたいと思います。

肥満やメタボリックシンドロームと関係する生活習慣に関するデータ

肥満やメタボリックシンドロームと関係する生活習慣というと、やはり運動習慣ということになるでしょう。また、明確にスポーツをしたり、その他ハードな運動をしたりする以外でも、歩行数が肥満やメタボリックシンドロームとは大きくかかわってきているといわれています。ここでは、運動習慣と歩行数に関するデータを検証してみたいと思います。

運動習慣の有無に関するデータ

平成26年度の調査によると、運動習慣がある日本人男性の割合は31.2%、女性は25.1%ということで、運動習慣がある人は日本人の3人に1人にも満たない程度の割合にとどまっています。男性よりも女性の運動習慣比率が低いのは、忙しい主婦の方の分と、仕事が終わったあとの夜遅い時間に運動できる時間がないということが影響しているものと思われます。ちなみに、これは肥満やメタボリックシンドロームを現在発症している、していないにかかわらないデータです。

男性は30代で最も運動習慣がある人の割合が低いというデータになっており、女性については、20代で最も運動習慣がある人の割合が低いというデータが公表されています。それぞれの世代の男女には、ぜひもう少しがんばって運動習慣を身につけていただきたいと思います。

また、ここ10年の運動習慣に関する推移ですが、基本的にはそこまで大きな変化が認められていないということでした。

歩行数に関するデータ

肥満やメタボリックシンドロームに関係するファクターとして重要視されているのが、歩行数です。1日に何歩歩くべきかというようなことは、かなり昔から論じられてきていますが、ここではその歩行数についてのデータを公表してみたいと思います。今回も平成26年のデータになります。

1日の歩数の平均値は、男性で7043歩、女性で6015歩ということでした。運動習慣同様、やはり男性のほうが時間的に多少歩行できる時間があるということを意味しているように感じられます。ただ、この10年間の推移では、女性に関してはそこまで大きな変化がないのに対し、男性はかなり歩行数が減少しているというのが少々気になるデータであるといえます。

1日あたりの歩行数の平均値を年齢別で見てみますと、20歳~64歳までの男性では、7860歩、同女性では6794歩、そして65歳以上になると、男性では5779歩、女性では4736歩というデータが公表されています。運動習慣がそこまで目立った数値になっていない割に、男女とも、1日当たりの歩行数についてはかなり高いレベルで数字が伸びているという印象があります。つまりこれは、ウォーキングなどの歩行は運動習慣とは考えていない人が多いのかな、という印象を与えるデータになっています。

ここまでは、肥満やメタボリックシンドロームとこれに関係してくる運動習慣、歩行数などについてのデータを検証してきました。ちょっとおもしろい傾向が現れているのが、運動習慣に関してはそこまで顕著ではないにもかかわらず、1日あたりの歩行数の平均値は、想定以上に高く、このあたりは健康意識の高まりが反映していると考えられるデータになっていました。

歩行数というのも、多ければ多いほどよいというわけではなく、実際のところ、1日当たりの歩行数は7500歩前後がベストであるということが近年研究によりわかってきていますので、特に日本人男性はかなり理想に近い歩行数であるという印象があります。

ただし、歩行という運動については、単に歩くということだけではなく、歩き方についても、健康に良い影響を与えるか否かが異なってくるといわれています。ですから歩行数の部分でクリアできているという方は、今度はご自身の歩き方について検証してみるとよいのではないかという気もします。

いずれにしても、いろいろとがんばっていただき、ぜひ肥満(症)やメタボリックシンドロームへの対策としていただきたいと思います。そして、ご自身の健康をしっかりと管理していただきたいと思います。

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