日本人にとってはやっぱり日本食!日本食で生活習慣病予防を!

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

無形文化遺産に登録されるほど評価が高い日本食

近年の日本食は、おそらくみなさんもご存知のとおり、ユネスコの無形文化遺産に登録されるほどに高い評価を受けた食事の様式であるということになります。おそらく日本食、和食というよりももっとカジュアルな、日本型の食事が、世界的基準で評価されたことが、無形文化遺産への登録という形に現れたことになると思います。いずれにしても、そういった世界基準で得た高い評価の食事のメリットを、私たち日本人が受けないのもおかしな話であるという気がします。

なぜ日本食(和食、日本型の食事)が世界基準で高い評価を受けたのかということについては、何しろユネスコの無形文化遺産ですから、何かひとつのことが評価されたわけではありません。ただ、無形文化遺産に日本食が選ばれたその背景には、日本食の健康食としての機能性の高さが、それだけの評価に値したということも、その一因にあることは間違いありません。

では、日本食がなぜ健康食として機能的であるのかということについても、いろいろお話していくことにしましょう。

日本食が世界的基準で高く評価されたワケ

どんなに機能的であれ、また理論的であったとしても、食べることが目的となっているのが食事ですから、味がおいしくなければどんなにがんばったところで、世界基準の高い評価を得られることなどありえません。日本食がおいしいということに関しては、私たち日本人が知っていることは当たり前ですが、無形文化遺産に登録されている以上は、味についても日本食が世界基準で高く評価されていることの表れです。

ですから、ここでは日本食の味覚の部分ではなく、また、食材や調理方法などでもなく、それ以外の部分・・・まあつまりは、健康面での機能性の部分で高く評価されている理由を考えていきたいと思います。

日本食と飽和脂肪酸の関係

日本食の場合、もちろんすべてがそうとは言いませんが、多くはごはんを主食とした食事の様式になります。たくさんの種類の副菜をおかずとして、主食のごはんを食べるというのが、日本食の最もベーシックな形になるわけです。実は、食事の様式というのが、健康面では意外なほど機能的であるといえるのです。

というのも、日本食をベースとした食事では、心筋梗塞をはじめとする心疾患や脳卒中に代表される脳疾患のリスクが高まるといわれる飽和脂肪酸の摂取量を最小限にとどめることができるという理由があるからです。日本食の場合、納豆や豆腐のような大豆製品が副菜として採用されるばかりではなく、醤油や味噌なども大豆由来ということで、高たんぱく低脂肪の食材が豊富であることから、飽和脂肪酸の摂取を抑えることができるということが評価の要素になったということです。

今の時代、日本でも飽和脂肪酸を当たり前に摂取する食生活を送る人が多くなっていますが、それは日本食とはかけ離れた食事様式であることは言うまでもありません。もちろんどんな食事をしようとも、それは食べる人の自由ですからその人の意思を尊重する以外にありませんが、ただ、そこでちょっと思いだしていただきたいことがあります。

それは、私たちは日本人であること、これをぜひこの機会に思いだしていただきたいという気がしてなりません。食の欧米化が云々されてはいますが、それ自体何も悪いことではありません。ただ、せっかく世界に誇ることができる日本食を食べる機会に恵まれた環境にあるはずの私たち日本人が、もう一度日本食の魅力を思いだしてみるのも悪くないと思えてなりません。

動脈硬化を予防することができる食事とは

日本食は、飽和脂肪酸の摂取を最小限にとどめることができるメニューが多いということで、心疾患や脳疾患など、生活習慣病を代表する病気を予防することができるという魅力に満ちた食事であるといえます。ただ実は、メニューの組み合わせによっては、さらに動脈硬化を予防することができる食事も可能であるというのが、日本食のもうひとつの魅力であるといえます。

日本食という時点で、心疾患や脳疾患のリスクを軽減できる飽和脂肪酸の減量を実現できるわけですが、これに加えて、さらにコレステロールの代謝を促す作用を持つ多価不飽和脂肪酸ならびに、中性脂肪の代謝と密接なかかわりがあるn-3系多価不飽和脂肪酸の摂取量を増やすことによって、今度は動脈硬化のリスクも軽減することができると考えられているのです。

ちなみに、飽和脂肪酸が含まれる食材としてよく知られるのが、バターやバラ肉、ひき肉といった脂肪がたくさん付着した動物性脂肪で、これらの脂肪はほぼすべて飽和脂肪酸に当てはまります。これに対して、同じ動物性脂肪であっても、魚の脂肪は不飽和脂肪酸と呼ばれる、体内で凝固しづらいタイプの脂肪であるため、血液がドロドロにはなりにくいという特徴があります。バターなどの動物性脂肪に対して、植物油などに用いられている植物性脂肪も不飽和脂肪酸に数えられることになります。

もちろん飽和脂肪酸は、ドロドロした性質の脂肪として体内に摂取されるため、運動のためのエネルギーとしては非常に貴重です。ですからまったく摂取しないといった考え方は、逆にNGになります。ただ、過剰摂取によって、心疾患や脳疾患のリスクを高めてしまうという事実を忘れるべきではありません。

これに対し、不飽和脂肪酸の中でもn-3系多価不飽和脂肪酸は、上でも触れたような生活習慣病の予防に多大な影響力を持ちますので、特に青魚をはじめとする魚類は、積極的に摂取していただきたいと思います。そして、日本食をベースとした食事では、青魚などの魚類は欠かせない食材ですから、このあたりが日本食の評価を高めている理由になっているのです。

日本人の長寿の質

日本人の平均寿命の高さは、世界でもトップランクであることはよく知られるとおりです。ですから、諸外国人からすると、日本人というだけで長寿というイメージが非常に大きいわけですが、ただ、長寿の人を大勢抱える国は何も日本ばかりではありません。言い換えれば、どこに行ってもご長寿の方はいらっしゃるということになります。

ただし、同じ長寿であっても、日本人の長寿の質というのは、そうした諸外国のご長寿の方々とは少々性質が異なるといえるのです。つまり、日本人の長寿というのは、年齢的にももう完全に長寿という域に達していたとしても、まだまだ元気で現役バリバリのご長寿さんが多いという特徴があるのです。これは諸外国とくらべてもかなり特異な印象を与える部分です。そして、そういった日本特有の長寿をもたらしている最大の要因が、日本食にあると考えられるようになっているのです。そしてまさにそういった部分が日本食の世界的評価につながったと言っても過言ではないのです。

インターネットが広く導入されるようになっている今の日本では、高齢化社会を驀進する中、高齢者に対する啓蒙活動のようなことも、ネットを通じて行われるようになってきてはいます。ですから当然そういった効果が、元気なご長寿さんを増加させているということも間違いありません。

ただ、やはり私たちの健康がそう簡単に手に入るものではないことも明らかで、また、ご高齢の方の健康がインターネットの情報だけでどうにかなるというものでもありません。とすると、やはり日本食がもたらしている健康効果が、元気なご長寿さんという形で現れていると考えるほうが自然であるといえます。

若い世代の意識が日本食の伝統をつくる!

日本食の健康効果の高さ、健康面での機能の高さは、現在なおお元気で生活されているご長寿の方が多い現状を知れば明確にわかります。しかし、みなさんもすでにご存知のとおり、日本の伝統的な食事の良さが、徐々に失われつつあるというのが現状です。そして、若い世代の人ほど、日本の伝統的な食事を徐々に遠ざけてしまっているといえます。

今の日本の高齢者がこれだけ元気に現役を続けていられるのも、伝統的な日本食のメリットを最大に生かすことができているからである可能性は極めて大きいといえます。とすると、これから人口が徐々に減っていく日本にとって、長寿の国としての威信を脅かすような、そんな時代がこれからやってくるのではないかというおそれは、誰もが感じるところです。

ただ、これに関しては欧米風の食事が悪いということではなく、日本人の意識の欠如と、日本食へのリスペクトが小さいということが大きく影響しているといわなければなりません。確かに、欧米風の食事にくらべて、日本食は非常に手が込んでいますので、伝統的な日本食を継続するのは難しいことではあると思います。

ただ、これを実行しているからこそ、今日本が世界に誇ることができる健康的な長寿を実現することができているのであり、そしてまた、日本食が世界から評価を得ることができているのでもあるのです。伝統は、伝え、受け継ぐことではじめて新たな生命が吹き込まれることになるのです。若い世代の日本人が、ぜひこの素晴らしい伝統を受け継いでほしいと願わずにはいられません。

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