とにかく痛い!とにかくコワイ!高尿酸血症/痛風には要注意!

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

高尿酸血症と痛風について

高尿酸血症と痛風は、過去から現在にかけて罹患者数が最も増加した生活習慣病であるといえます。近年では、生活習慣病を代表するようになってしまったという印象さえあります。その最大の要因となっているのが生活習慣の変化であることはだれもが想像できるかと思います。

そうした異常事態ともいえる局面を迎えていることもあり、近年少しずつ高尿酸血症・痛風の研究が進んできています。その結果、これまでずっと包まれてきた謎のヴェールから、高尿酸血症や痛風の本質的な部分がわずかに垣間見えるようになってきた印象もあります。しかし現代医学では依然、一度この病気を発症してしまうと、残念ながら完治することが難しいとされる難病です。

そのため、医師によっては高尿酸血症や痛風をいわゆる膠原病の一種であるとするケースもあるくらいです。つまり、明確な原因と治療法が確立しない病気であると考える必要があるのです。ですから高尿酸血症や痛風は、医師からみても患者からみても、非常にやっかいな生活習慣病なのです。

ところで、痛風という病名についてですが、非常に有名なのが、とにかく痛い病気であるということでしょう。風が当たるだけでも痛いというところから、いつしか痛風と呼ばれるようになったという説もあるくらいですから、その痛みの強さは想像を絶するものがあります。経験者のことばを借りるなら、症状などと生易しいものではなく、まさに発作と呼ぶのがふさわしいレベルの激痛が走るのが、痛風の特徴です。

一般的には、左右の足のどちらかの親指の付け根あたりに激痛が走ります。その痛みは、多くの人が苦しみのどん底に突き落とされなければならないほどの痛みであるといいます。ただ、実はこの痛風という病気は、足の親指の付け根から、足の甲、足首、膝、手首、ひじや肩など、徐々に全身に現れるようになるという全身性疾患であるとも言われているのです。そのくせ、同時多発的に発作が表れることはまれであり、どこか一か所が痛みに責め立てられるのです。そのため、全身を風が通り抜けるように痛むというところから痛風と呼ばれるようになったとする説もあるようです。

病名に関しては諸説あるので、割とどうでもよい部分ではありますが、痛風がそれくらい痛く苦しい発作を伴う病気であるということだけは認識していただきたいものです。それでは、ここからはこの高尿酸血症と痛風に関するあれこれについてお話していきたいと思います。

高尿酸血症なの?痛風なの?

血中の尿酸濃度が上昇することによって、その尿酸が結晶化し、神経を突き刺すような形になるために激痛を伴うのが痛風という生活習慣病の発症メカニズムです。そして、血中の尿酸濃度が上昇する症状を高尿酸血症と呼びます。

この病気が判明するプロセスは比較的一意であると考えられます。(多くは)足の親指の付け根が痛いという自覚症状が起こります。どこかでぶつけたのかな、などと思っていると、やがてガマンできるレベルの痛みではなくなり、病院に(やっとの思いで)駆け込み、血液検査をし、血中の尿酸濃度が上昇していたということが判明し、あなたは痛風ですよ・・・という流れになることが多いです。

もちろん、健康診断などの一環として行われる血液検査で、あなたは尿酸値が高いから高尿酸血症が起こっていますよ、という流れで高尿酸血症が先に判明し、その時点ではまだ痛み(痛風)は発症していないというケースもまれにはあります。ただ、だいたいの場合、尿酸値が上昇することで、痛風の発作もかなり近いタイミングで発症するようになりますので、一般的には、高尿酸血症と痛風とはセットであると考えられることが多いです。

ただ、厳密に言えば、高尿酸血症はあくまでも血中の尿酸濃度が上昇する病気であり、痛風はその尿酸が結晶化して神経に触り、それが激しい痛みとなって表れる病気であるということになります。つまり、痛風を発症しているのに高尿酸血症ではないというケースはありえないことになります。また、高尿酸血症を発症しているのに痛風が表れないというケースもほぼないといえます。そのため、高尿酸血症のことを痛風予備軍(前痛風)と呼ぶこともあります。

ところが、高尿酸血症ではないのに痛風のような激しい痛みを伴う病気も実はあって、これは偽痛風(ぎつうふう)などと呼ばれることもありますが、これは高尿酸血症や痛風とはまた別の病気になります。

高尿酸血症/痛風の病態

ここからは高尿酸血症/痛風の症状の特徴や、傾向などについてお話していきたいと思います。発症すると相当つらい病気ですので、ぜひ予防の参考にしていただきたいという気持ちです。

高尿酸血症/痛風の男女別、年代別傾向

かつて高尿酸血症/痛風は、男性に特有の生活習慣病であるといわれてきました。しかし近年は、女性の患者さんが年々増えてきているというのが、ひとつの大きな傾向です。高尿酸血症/痛風は膠原病の一種で考えられる理由としては、女性のリウマチに対応するのが、男性の高尿酸血症/痛風であるなどのファクターが挙げられていたのですが、女性の罹患者数が増加していることから、今後はもしかしたらそのあたりの解釈も変わってくるかもしれません。

ただ、多いという意味では、女性よりも男性のほうが圧倒的に多いということは変わりません。だいたい30代くらいから高尿酸血症/痛風を発症する男性が増えてきて、50代くらいまで、新たに症状を発症する人がいるということで、一生ものの病気にしては、かなり早い時期から発症し、まさに終わりのない治療(尿酸値のコントロール)が必要になります。

ただ、あくまでも高尿酸血症/痛風には完治がないだけであって、寛解(一時的に改善し、健常者と同じ状態を一定期間キープすることができる)することはありますので、いかに寛解の状況にこぎつけるかが、最大のポイントということになるでしょう。

とはいえ、尿酸の結晶は、関節に蓄積すれば当然激痛の原因になりますし、間接以外にも、腎臓に蓄積されてしまうと、腎臓を傷めることにもつながりますので、高尿酸血症/痛風が腎臓病の原因になってしまうケースも少なくありません。ですから、高尿酸血症/痛風を発症した人は、たとえ寛解に至ったとしても、普段から十分注意しておく必要であるといえます。

高尿酸血症/痛風の生活習慣における傾向

高尿酸血症/痛風は、膠原病の一種でありますが、一般的には生活習慣病であると考えられることのほうが多いです。というのも、高尿酸血症/痛風を発症するリスクは、肥満・メタボリックシンドロームの人のほうが高く、また、飲酒の習慣がある人のほうが圧倒的に高いことが統計的にわかっているからです。

肥満やメタボリックシンドロームになると、病気の原因となるさまざまなファクターを抱え込んでしまうことになります。尿酸値を高めてしまうという高尿酸血症/痛風を発症するリスクに関しても、同じことです。また、飲酒によって血中の尿酸濃度が上昇しやすいことがわかっています。ですから飲酒の習慣と高尿酸血症/痛風は切っても切り離せない関係であるといえます。

さらには、激しい運動をしすぎることによって、急激に血中の尿酸濃度が上昇することも知られています。そのため、意外とプロスポーツ選手などには高尿酸血症/痛風の罹患者が多いなどともいわれています。という具合に、いろいろな年代のいろいろな生活を送る人に現れるのが高尿酸血症/痛風の特徴といえます。

高尿酸血症/痛風の予防方法と治療方法

高尿酸血症/痛風は、血中の尿酸濃度だけが焦点になる生活習慣病(もしくは膠原病)です。ですから、血中の尿酸濃度を上昇させない生活習慣を送ることが、予防法であり、治療法でもあるということになります。そのため、予防に関しては肥満やメタボリックシンドロームを解消することが大前提となります。

さらに具体的に、生活習慣をベースとした高尿酸血症/痛風の予防方法を検証してみたいと思います。

高尿酸血症/痛風の予防方法について

もちろん、飲酒の習慣も見直す必要があります。禁酒ができればそれに越したことはないですが、禁酒によるストレスが、尿酸値を上昇させる可能性が新たに生まれます。また、ストレスはその他の病気の原因にもなりますので、無理なく禁酒できるということであれば、それが一番よい予防方法になるといえるでしょう。禁酒がどうしても無理という人は、せめて週に2~3日は休肝日をつくることが重要であるといえます。

ただ、高尿酸血症/痛風を発症した時点で、あまりの痛みに耐えきれず、病院で治療を受けることになると思います。すると、お医者さんによってはアルコールは厳禁であると主張する人もいます。また、いわゆるプリン体を含む食事も完全に管理して摂取しなければならないといった考え方のお医者さんもいます。

最近はそういった考え方のお医者さんも減ってきているとは思いますが、未だにそのあたりはかなり厳しい節制が必要であると説くお医者さんも少なからずいると思いますので、そのあたりは担当医と要相談ということになるでしょう。

また、スポーツ選手などの場合は、できるだけ休養を取るといった対処が必要になります。普段からスポーツが好きであるという人も、万一痛風を発症するようなことになったら、スポーツどころの騒ぎではなくなってしまいます。ですからある程度休養を取り入れ、あまりに過度なスポーツは多少控えるといった予防策が必要になります。

高尿酸血症/痛風の治療方法について

まず大前提としていえることは、高尿酸血症/痛風の治療に関しては、現代の医学においては、完治を目指すわけではなく、あくまでも寛解を目指しましょうというところに目標があることです。一般的には寛解の先に完治があるわけですから、現状完治の可能性がない高尿酸血症/痛風の治療ついては、そういうことであるという認識(納得)が必要になるでしょう。

高尿酸血症/痛風の治療は、血中の尿酸濃度によって多少方法が異なるところがあります。というのも、血中の尿酸濃度の上限値は、7.0%未満とされるのが一般的で、7.0%程度であれば、ほぼ痛風の発作が表れることはないと考えられます。ですからこの場合は、生活習慣を見直し、改善することによって、尿酸値を上昇させない方向で治療をしていきます。つまり、経過観察がメインの治療になります。

血中の尿酸濃度が7%代の場合、治療方法は主治医との相談で行うことになるのが一般的です。この時点で、痛風の発作が表れるようであれば、投薬治療を取り入れることになります。投薬治療とはいっても、基本的には尿酸濃度を下げる働きがある薬(ザイロリックやそのジェネリックであるアロプリノールなど)が投与されることになります。

そして、尿酸濃度が8%を超えてくると、ほぼ確実に痛風の発作が表れる数値になりますので、このレベルでは投薬治療が必要になると考えられます。いずれにしても、主治医との相談で決定することになると思いますが、痛風の発作をすでに発症したことがあるというケースでは、正直ガマンのしようがないレベルの痛みなので、すぐにでも投薬治療が必要になると思われます。

痛風のときに服用できる鎮痛剤について

ちなみに、痛風の発作の痛みを和らげる鎮痛剤に関してですが、これについても注意が必要です。

世の中には非常に多くの痛み止め・鎮痛剤なるものが流通していますが、痛風の発作の痛みを鎮静化する目的で服用する痛み止め・鎮痛剤は、ある程度限られていると解釈する必要があります。というのも、痛み止め・鎮痛剤の種類によっては、逆に血中の尿酸濃度を高めてしまうおそれがあるものも存在するからです。

病院で処方された痛み止め・鎮痛剤を服用する分には、まず心配はありませんが、たまたま病院でもらってきている薬を切らしていて、自宅に常備してある痛み止めを服用する際には、注意が必要です。常備薬の場合、市販の痛み止め・鎮痛剤の可能性があるでしょう。中でも代表的なロキソニンとボルタレンを例に挙げてみたいと思います。

結論から言えば、痛風の発作の際にロキソニンを服用すると、症状を悪化させる危険が極めて高いです。ロキソニンには、血中の尿酸濃度を高める作用があります。ですから、高尿酸血症/痛風の患者さんが、万一の発作に備えて痛み止め・鎮痛剤を常備しておきたいということであれば、ロキソニンではなく、ボルタレンのほうを常備しておいていただきたいと思います。

このあたりも、ドラッグストアや薬局の薬剤師の方と相談・確認してから購入していただきたいと思います。

今回は高尿酸血症/痛風についていろいろ書いてきましたが、食生活などが欧米型になってきた近年に、にわかに増加した印象がある生活習慣病(もしくは膠原病)という認識は、確かに大きいです。しかし、そのルーツは紀元前の中国にさかのぼるとされるほど、歴史が古い、非常に原始的な病気なのです。

いずれにしても、生活習慣を乱しがちの現代人にとっては、高尿酸血症/痛風はとにかく警戒すべき病気であるといえるはずです。激痛が襲う生活習慣病であり、悪化すれば全身疾患のリスクも伴う生活習慣病でもありますから、できるだけ正しい生活習慣で日々を送りたいものです。

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