脂質異常症は危険が多い!症状を正しく理解し、改善を目指す!

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

脂質異常症(高脂血症)について

日本人の成人の多くが罹患しているといわれている脂質異常症についてお話していきます。脂質異常症は、かつて高脂血症と呼ばれた時期もあり、もしかしたら高脂血症ということばのほうがなじみ深く感じる人も多いかもしれません。まずは脂質異常症という生活習慣病がいったいどんな病気であるかというところからお話していきましょう。

脂質異常症とは、血清脂質値が正常値の範囲外に達した場合を指してそのように呼ぶ生活習慣病です。とすると、まずは血清脂質について説明しておかなければなりませんので、話はそこからスタートすることとします。

脂質異常症の判断材料となる血清脂質とは

血清脂質とは、血中の脂肪分のことを指します。つまり血清脂質値とは、血中に溶け込んでいる脂肪の濃度ということになります。イメージとしては、血液が脂っぽい性質のときには、その人が脂質異常症にかかっている可能性が高まるということになります。その脂っぽさの指標となるのが、主に血液検査から判定される、血清脂質値ということになります。

血清脂質値というと少々難しく感じられるかもしれませんが、この血清脂質値にはいくつか種類があります。そのひとつには、実は、誰もが必ず耳にしたことがあるコレステロール値も含まれています。コレステロールというと、おそらく身近に感じられる人が多くなると思います。

ただ、コレステロール意外にも血清脂質にはいろいろな種類がありますので、血清脂質についてもう少しお話していきたいと思います。

血清脂質の種類

血清脂質にはいくつかの種類があります。まずはそのすべての種類をピックアップし、それぞれについて簡単に説明を加えておくことにします。まずはコレステロールについてですが、コレステロールは必ずしも悪い脂質ということではなく、過剰に蓄積したり不足したりすることで、動脈硬化症をはじめとする生活習慣病の原因になると考えられている脂質です。

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)

コレステロールのひとつに、LDLコレステロールと呼ばれる脂質があります。一般的に、悪玉コレステロールとして知られることが多く、血液検査をすると、この数値を戦々兢々としてチェックする人が多くなります。

LDLコレステロールは、正式には低比重リボタンパクと呼ばれる脂質ですが、LDLコレステロールにもちゃんと重要な役割があります。その代表的な役割としては、肝臓で生成、分泌したさまざまなコレステロールを、必要な臓器に運ぶ役割を担います。

LDLコレステロールが悪玉コレステロールといわれるゆえんは、過剰に生成されてしまうことによって、血中に入り込んで動脈硬化症の原因物質となるからであり、生活習慣によって実際過剰に分泌されやすいからです。

HDLコレステロール(善玉コレステロール)

動脈硬化症を防止する役割があることで、善玉コレステロールなどと呼ばれることもあるのがHDLコレステロールです。LDLコレステロール(悪玉コレステロール)は、血管の壁に張り付いて動脈硬化の原因となりますが、これを引きはがす役割をHDLコレステロールは担っています。

コレステロールが高いか低いかは、一般的に総コレステロールから判断しますが、総コレステロール値が基準内に入っていたとしても、HDLコレステロールが少ないと結局のところ動脈硬化のリスクが高まると考えられます。かつて脂質異常症は高脂血症と呼ばれていましたが、これが現在は脂質異常症という呼び名に変わったのは、HDLコレステロール値は高いほうが望ましいにもかかわらず、高脂血症を病名にするのはおかしいのではないかと考えられたからであるとされています。

他にも、VLDコレステロール、カイロミクロンと呼ばれる脂質があります。そして、コレステロールではありませんが、コレステロールと結びつくことによって好ましくない働きをする脂質もあります。この脂質を、一般的には中性脂肪と呼びます。

トリグリセライド(中性脂肪)

トリアシルグリセロールと呼ばれることもありますが、血液検査などではトリグリセライドと表記され、一般的には中性脂肪として知られることが多いです。体内に存在する脂質の中では最も一般的で、なおかつ最も原始的な脂質であるといえるのが、このトリグリセライド(以下、中性脂肪)です。

というのも、中性脂肪というのは、主に食品を介して摂取される脂肪であり、これがエネルギーとして消費されることになるわけですが、消費しきれなかった脂肪がすべて中性脂肪として肝臓内に蓄えられることになります。ですから、予備的エネルギーという意味では、ある程度中性脂肪が常備されているくらいのほうが望ましいといえます。ただ、日本人の場合、中性脂肪が過剰になってしまうことが多いです。

脂質異常症の数値的な判断材料

脂質異常症という生活習慣病名から判断できると思いますが、脂質異常症は、上記でお話してきた各種脂質が過剰に蓄積された状態か、逆に不足している状態を指します。ただし、量的な問題ではなく、各脂質のバランスが悪いときにも、脂質異常症と診断されることがあるので、注意が必要です。

そして、血圧と同じように、脂質異常症という生活習慣病を発症しているかどうかの決め手となる材料があり、こちらも数値化することで判断の指標とされます。ここでは脂質異常症の基準についてお話していきます。

脂質異常症と判断される基準は次のとおりです。

  • LDLコレステロール値・・・140mmHg以上
  • HDLコレステロール値・・・40mmHg未満
  • トリグリセライド(中性脂肪)・・・150mmHg以上

上記のいずれかひとつでも当てはまると、その時点で脂質異常症と診断されることになります。

脂質異常症のリスクについて

脂質異常症は、動脈硬化の発症に大きく関係しているといわれています。動脈硬化は、初期的な段階ではそこまで深刻ではないとはいえ、放置すると生命の危険を招く原因になります。動脈硬化発症のリスクが、直接的な意味で脂質異常症が危険な生活習慣病であると考えられる根拠になっています。ただ、間接的には脂質異常症にはもっと別のリスクがあります。

というのも、脂質異常症というのは、血中の脂肪率が高いということですから、それだけでは何も自覚症が表れないです。高血圧などもそうですが、自覚症がないことでどうしても対処が遅れがちになります。しかし、脂質異常症を放置してしまうと確実に重篤な生活習慣病の発症リスクが著しく上昇します。

動脈硬化が悪化すると、脳梗塞をはじめとする脳疾患や、狭心症や心筋梗塞などに代表される心疾患を発症する原因になります。どれも生命を脅かす生活習慣病ですので、動脈硬化の原因となる脂質異常症を放置するのは非常に怖いことであるということをご理解いただきたいと思います。

ところが実際、自覚症がない脂質異常症は放置される可能性が高い生活習慣病です。これが、脂質異常症の非常に怖い部分であるといわなければなりません。

脂質異常症の予防方法と治療方法

では、これから脂質異常症をどう予防し、そしてもしすでに脂質異常症を発症しているという人ならどう治療していくべきかを考えてみたいと思います。ただ、これに先立って真っ先にいわなければならないことがあります。

まずは定期的な健康診断を!

上記のリスクのところでお話したように、脂質異常症は、放置すれば非常に怖い生活習慣病を招く原因になりかねないのに、自覚症状がほとんどないためその発見が遅れてしまうという怖さもある病気です。ですから、まずは自分が脂質異常症を発症しているかどうかを定期的にチェックしておかなければなないということになります。

そのためには、やはりとにもかくにも定期的な健康診断が非常に重要になってきます。脂質異常症に関しては、比較的早い段階でそれと気づくために、血液検査を伴う健康師団を行う以外にありません。何らかの自覚症が表れてからでは完全に手遅れになってしまっている可能性が高いので、できる限り血液検査は受けるようにしていただきたいと思います。

脂質異常症は食生活と密接な関係がある!

各種コレステロールにしても中性脂肪にしても、基本的には食事の摂取からの脂肪や脂質が直接的に影響することになります。ですから脂質異常症については、予防にしても治療にしても食生活をしっかり見直し、いかに改善していくかが重要なポイントになります。

コレステロールに関しては、やはり動物性脂肪の摂取によって数値が上昇しやすくなります。肉や魚、卵や乳脂肪などを過剰に摂取すると、コレステロール値は上昇します。これらの食品はあまり過度に摂りすぎないことが大切です。よく言われる表現を借りるなら、いわゆる野菜中心の食生活が望ましいということになるでしょう。

一方、中性脂肪については、炭水化物をはじめ、食事全体の量が多くなってしまうことでその数値が上昇しやすくなります。また、間食を摂りすぎたり糖分が多いお菓子やジュースなどを摂取しすぎたりすると、どうしても中性脂肪がたまりやすくなります。要するに、正しいダイエットを行うことによって、中性脂肪値は下げることができるということになります。

暴飲暴食を避け、毎日適度な運動を取り入れることによって、中性脂肪は比較的落としやすいと考えられていますので、数値が高い人はぜひ実行していただきたいと思います。

ここまで脂質異常症についてお話をしてきましたが、自覚症がないにもかかわらず生命を脅かすレベルの重篤な病気を招く生活習慣病であるのが脂質異常症であるということが最重要ポイントです。しっかりと健康診断を受け、万一脂質異常症を発症していたとしたら、何らかの形でその対策を講じる必要があるということを、まずはしっかり理解していただきたいものです。

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