心疾患の傾向をデータから読み解き、予防や緊急時に役立てよう!

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

依然として死亡率が高い心疾患

心疾患は、場所が場所だけに、発症と同時に生命の危険が非常に高まる生活習慣病です。中でも、急性心不全を発症するとかなり高い確率で死に至るということで、心疾患の中でも特に怖い病気として知られます。ただ、急性心不全は、基本的には生活習慣とはそこまで密接ではないとも考えられますので、生活習慣病としての心疾患というと、やはり代表的なのが心筋梗塞、これに続くのが、狭心症ということになるでしょう。

心筋梗塞にしても狭心症にしても、生命の危険を伴う生活習慣病です。生活習慣病である以上は、生活習慣を改善することによって回避することができる確率が高くなります。現在死亡原因の第2位となっているのが心疾患ですから、生活習慣を改善することによって、心疾患による死亡者数が減少するのではないかという期待は当然大きくなります。

それでは、ここからは、死亡原因となる心疾患に関連するいろいろなデータを検証してみたいと思います。

心疾患にまつわるさまざまなデータ

心臓という器官だけに、心疾患に関するデータはいろいろと公表されているという印象があります。まずは、心筋梗塞や狭心症などの何らかの心疾患に罹患しているという罹患人口からご紹介していきましょう。

平成23年のデータによると、心疾患の患者数は161万2000人にものぼります。生命の危険がある疾患だけに、これはやはりかなりの数であるという印象があります。このうち、男性の罹患者が88万2000人、女性の罹患者が73万人にのぼるということで、男性のほうが女性よりも多少罹患人口が多くなっています。これはおそらく、女性にくらべて男性のほうが飲酒習慣、喫煙習慣がある人が多いこととも関係していると考えられます。

また、医療機関におけるデータを参考にしてみると、心疾患が理由で治療する患者さんのうち、外来患者さんの数が13万4100人、入院患者さんの数が5万8100人(どちらも平成23年のデータ)ということで、治療をしている患者さん以外の潜在的な心疾患の患者数がいかに多いかということが数字から明確にイメージできることと思います。

それでは、ここからはさらに心疾患のタイプ別に見ていきましょう。

虚血性心疾患の医療費についてのデータ

心疾患の中でも、虚血性心疾患(心筋梗塞などの、血流のトラブルが起こる心疾患)の、平成25年における国民医療費は、7503億円にのぼりました。これを年齢別に見ていくと、以下のようになります。

  • 0歳~14歳・・・3億円
  • 15歳~44歳・・・167億円
  • 45歳~64歳・・・1702億円
  • 65歳以上・・・5630億円
  • 70歳以上・・・4580億円 (65歳~70歳・・・1050億円)
  • 75歳以上・・・3290億円 (70歳~75歳・・・1290億円)

心疾患による年間死亡者数について

それでは、ここでは心疾患による年間死亡者数についても見ていくことにします。平成26年1年間のデータによると、心疾患による死亡者数は19万6926人にのぼるということが公表されています。男女別で見ると、男性が9万2278人(死亡原因全体の14.0%)、女性が10万4648人(死亡原因全体の17.1%)と、男性にくらべて女性のほうが多少多くなっています。

ただ、死亡リスクが高い心疾患といっても、心筋梗塞や狭心症ばかりではなく、いろいろな種類の心疾患がありますので、19万人超の死者数の内訳も見ていくことにします。平成26年1年間の心疾患による死亡者数の内訳は、以下のようになります。

  • 心不全・・・7万1656人
  • 急性心筋梗塞・・・3万8991人
  • 慢性リウマチ性心疾患・・・2308人
  • 不整脈および伝道障害・・・2万9739人
  • 慢性非リウマチ性心内膜疾患・・・1万217人
  • 心筋症・・・3841人
  • その他の虚血性心疾患・・・3万4984人
  • その他の心疾患・・・5280人

心疾患についてのその他のデータ

それでは、上記で触れた以外の心疾患にまつわるデータも検証していくことにしましょう。

急性心疾患の場合、救急搬送されることになるケースが多いですが、病院に搬送されたときすでに心停止状態に陥っていたという割合は14%にのぼることがわかっています。そして、生活習慣病としての心疾患を考えるときに重要なデータとなりうるのが、喫煙に関係するデータです。

喫煙者であったとしても、禁煙をすることによって、それ以降10年~14年で、心筋梗塞の発症リスクが従来からの非喫煙者とまったく同じレベルにまで下げることができるというデータも公表されていますので、現在喫煙習慣がある方は、ぜひこのデータをご覧いただき、今すぐ禁煙にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

年齢別の心疾患(全体)受診者数に関するデータ

少し古いデータになりますが、平成17年のデータによりますと、心疾患関連で、医療機関における受診者数が多いのは、圧倒的に80歳以上89歳未満の階級でした。10万人あたり685人が外来、入院で心疾患全体の受診者がいたという数字になっていました。次いで多いのが70歳以上79歳未満の階級で、10万人あたり563人が受診しているということでした。

それ以外では、数的にはかなり減少することになりますが、それでもやはり高齢者層である60歳以上69歳未満の階級で、10万人あたり259人が受診しているということになります。また、50歳代、40歳代の受診者も、数的には少ないですが、まったくいないということではありませんので、まだまだ年齢的には大丈夫だろうと思っても、油断だけはすべきではないということは間違いありません。

以上のデータから、心疾患の場合、やはり年齢に比例して医療機関での受診者数が増加しているという傾向が顕著に現れています。

さて、ここまで心疾患に関するさまざまなデータを見てきましたが、データの内容そのものは、あまり意外性がないというか、だいたい想像された範囲に落ち着いているといえるでしょう。ということは、特に生活習慣病に数えられる心疾患については、それだけ予防しやすいということを意味していることになります。それならばせっかくのデータですから、ぜひ活用して生活習慣を改善していただきたいと思います。

心疾患は即生命の危険を伴う疾患だけに、やはり予防できる範囲の生活習慣の見直し・改善はすぐにでもとりかかったほうがよいということがいえるでしょう。

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