おそろしい痛みを発する痛風と高尿酸血症をデータから分析する!

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

高尿酸血症/痛風に関するさまざまなデータ

高尿酸血症/痛風を発症してたいへんな目に遭ってしまう人は多いです。高尿酸血症や痛風は生活習慣病の代表的な疾患ですから、生活習慣の悪化が原因になることがほとんどです。ただ、高尿酸血症や痛風を発症する明確なメカニズムまでは、実はまだわかっていない部分が多いといわなければなりません。

そこで、わかっているデータを参照しながら、そのメカニズムのヒントを探るといった考え方も、決して悪くはないという気もしますので、ここでは高尿酸血症や痛風に関するさまざまなデータを検証してみたいと思います。

高尿酸血症や痛風を発症しやすい年代に関するデータ

まずは、高尿酸血症や痛風を発症している年代について、これは非常に驚くべきデータが公表されています。というのも、日本人の30代~40代の男性の、実に30%もの人が高尿酸血症や痛風を発症しているといわれているからです。30代~40代の男性というと、まさに働き盛りという印象があり、バリバリ働いてバリバリ食べ、飲むといった印象もあります。

確かにバリバリ食べて飲むからこそ高尿酸血症や痛風を発症するといわれればそうですが、どちらかといえば健康的なイメージがある年代だけに、その10人のうちの3人が突然の激痛におそれながら生活を送っているというのは、正直かなり意外に感じられます。

高尿酸血症や痛風を発症する人の傾向に関するデータ

もうひとつ、こちらも少々意外な印象のデータがあります。それは、高尿酸血症や痛風を発症している人の37%がメタボリックシンドロームを発症しているというデータです。高尿酸血症や痛風を発症しているうちの37%といわれると、確かにかなり高い確率で、メタボリックシンドロームを発症している人がかかりやすいという印象がありますが、しかし、高尿酸血症や痛風の場合、昔から太っている人がかかる病気であるといわれてきたこともあるので、この数字は正直驚きです。

というのも、高尿酸血症や痛風を発症している人のうちの37%がメタボリックシンドロームであるという事実を言い換えると、高尿酸血症や痛風に悩む人のうち、6割以上がメタボでもなんでもない人ということになるわけですから、昔から格言のように言われてきた、痩せていれば痛風のリスクは小さくなるという考え方も、その説得力を完全に失うような数字であるといえるからです。

痛風の発作の発症率に関するデータ

高尿酸血症と痛風は、必ずセットで説明されることが多いですが、であれば、なぜ高尿酸血症と痛風というふたとおりの呼び方があるのかと少々疑問に思う人もいるようです。しかし実は、厳密にいうなら、高尿酸血症と痛風とは別々の病気であると考える必要があります。このことについて簡単に説明を加えておくことにします。

高尿酸血症という病気は、尿酸値が基準値よりも常時高い生活習慣病を指します。そして、その高尿酸血症が痛みという感覚として表面化した病気が痛風です。ですから、基準値よりもわずかに尿酸値が高いというところでうまく尿酸値をコントロールできていて、尿酸が結晶化して痛みが表面化しない人の場合、高尿酸血症ではあるけれど、痛風の症状は自覚していないということになるでしょう。

ただ、そういった微妙なケースはほとんどありませんので、だいたい尿酸値が上昇している人は、痛風も合わせて発症することになります。そのため、高尿酸血症と痛風はセットで語られることが多くなるのです。さて、それでは痛風発作の発症率に関するデータをここからご紹介していきたいと思います。

そのデータとは、尿酸値が9%台の高尿酸血症罹患者の痛風発作の発症率は、尿酸値が6%台の人にくらべて、向こう5年間の発症確率にして40倍にのぼり、尿酸値が10%台の高尿酸血症罹患者の痛風の発作の発症率は、6%台の人にくらべて向こう5年間の確率で60倍にのぼるというデータです。

この6%台というのは、正常値なので、9%、10%という高い尿酸値を示す人の痛風発症確率が健常者の40倍にも60倍にもなるというのは当然ではあるでしょう。ただし、20年前の調査にくらべると、高尿酸血症の罹患者のメタボリックシンドローム・肥満症の罹患率は上昇しているというデータもあります。

ただ、これに関しては、20年前とくらべて日本人の全体的なメタボリックシンドローム・肥満症の罹患率がどのくらい上昇しているのかという対照的データを参考にしないと、一概に高尿酸血症や痛風とメタボリックシンドローム・肥満症との関係が明確になったとは言えないことにもなります。

このあたりのデータにも高尿酸血症や痛風のはっきりしない部分というか、どこか煮え切らないような部分があります。それでは、ここからはさらに高尿酸血症や痛風に関するデータをひもといていきましょう。

アルコールと高尿酸血症・痛風の関係についてのデータ

それでは、ここからはアルコールがどの程度高尿酸血症や痛風とかかわってくるのかということについてお話していきたいと思います。昔から、お酒を飲む人は痛風になりやすいと言われますので、アルコールとの関係を示すデータは非常に興味深いものがあります。

まずは、高尿酸血症や痛風を発症している男性のうち、その49.0%に飲酒習慣アリ、そして女性のうち8.5%に飲酒習慣アリというデータになっています。女性の場合、近年は多少増加傾向にあるとはいえ、分母が小さすぎてあまり参考にはならないデータであるような気がしますが、男性の場合、痛風を発症する人の2人に1人が習慣的にアルコールを摂取しているということで、これはそれなりに信頼できる数字であるといえるでしょう。

ただ、この数字に関しても、お酒を飲む人が痛風になるのだと断言できる数字ではないということもまた事実です。実際のところ、お酒を習慣的に飲んでいたのに、痛風を発症してからは飲めなくなってしまったという人も、飲酒習慣がない51.0%のほうに含まれる可能性がありますので、そのあたりは多少補正を噛ませて考える必要はあるのかな、という気がします。

さらに、飲酒習慣と高尿酸血症・痛風の関係を年齢別に見ていくことにしましょう。

飲酒習慣と高尿酸血症・痛風の関係に関する年齢別データ

飲酒習慣がある男性で高尿酸血症や痛風の発症率が最も高いのが50代で、60.7%という発症率になります。ただ、他の世代も非常に拮抗しており、40代男性では57.9%、60代男性は50.9%、70代以上の男性が44.1%、そして30代男性が42.3%、20代男性になると急激に減少し、23.8%になります。

これに対し女性はどうかというと、40代の高尿酸血症・痛風の罹患者のうちの14.3%が飲酒習慣アリということで、女性では最も高い数値になっています。以下、50代が12.3%、30代が9.4%、20代が8.1%、60代が5.6%、70代以上が2.9%という飲酒習慣と年齢の関係になります。

運動習慣と高尿酸血症・痛風の関係に関する年齢別データ

高尿酸血症や痛風というと、飲酒とともに運動というファクターが大きく影響してきます。ここでは運動との関係について探っていきたいと思います。

まずは高尿酸血症や痛風の罹患者全体で見ていきますと、男性が31.6%、女性が28.3%、それぞれ運動習慣アリの高尿酸血症・痛風罹患者ということになります。やはり運動習慣がない人ほど、高尿酸血症や痛風を発症しやすいということが、このデータからわかります。また、高尿酸血症や痛風を発症して改めて運動を生活習慣に取り入れたという患者さんも多いと思いますので、そのあたりの補正を噛ませて考えると、やはり運動習慣がない人の発症率・罹患率は極めて高くなるといえるでしょう。

では、年齢別に見ていくことにしますが、以下は男女一緒のデータということになります。運動習慣アリの割合は、20代で17.1%、30代で19.1%、40代で22.4%、50代で29.9%、60代で40.8%、70代以上で35.4%という高尿酸血症・痛風の発症率になっています。

要するに、若い世代ほど、運動不足が高尿酸血症や痛風の原因になっている可能性が高いということが上記データからわかります。シンプルなデータではありますが、昔から運動不足は痛風の原因になるといったことばを裏付けるデータとしては十分でしょう。

現段階では謎が多いところがある高尿酸血症・痛風ですが、上記のデータからわかることは、できればメタボリックシンドローム・肥満症を解消し、飲酒習慣もできるだけ回避し、運動だけはしっかりと生活習慣に組み込むということが重要であるということでしょう。

昔から言われてきたとおりの内容も、かなり意外性の強い内容も、高尿酸血症や痛風にまつわるデータから読み取ることができたと思います。おもしろいというと良くないかもしれませんが、非常に興味深いデータではあったかな、という気がします。とにかく痛風という病気はおそろしい痛みを伴う生活習慣病ですから、上記のデータを上手に活用していただき、できることなら高尿酸血症や痛風という生活習慣病だけは回避していただきたいと思います。

もちろん、すでに症状を発症しているという人にとっても、上記のデータはいろいろ参考になる部分が大きいと思いますので、上手にデータを活用していただき、高尿酸血症や痛風と上手につきあっていただきたいと思います。

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