生活習慣病、あるいは成人病について、正しい理解を深めよう!

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

日本人と生活習慣病

生活習慣病ということばになじみがないという人はあまり多くないと思います。ただ

どちらかといえば、生活習慣病というよりも成人病という表現のほうがしっくりくる人も、意外と多いのではないでしょうか。

今ではすっかりなじみとなっている生活習慣病の表現も、かつては成人病と呼ばれる時代もありました。しかも単なる一過性の便宜的な呼称ではなく、生活習慣病ということばに慣れるのに時間を要するくらい、成人病ということばは少し前の私たち日本人にとっては極めて一般的なことばであったといえます。

しかし時代は進み、今では生活習慣病を成人病と呼ぶ人はほとんどいなくなりました。その背景には、成人病という呼び名がふさわしくなく、生活習慣病ということばがよりふさわしいと思われる部分が多いからに外なりません。

しかしそれにしても、一時代を築くほど長きにわたって生活習慣病が成人病と呼ばれてきたわけですから、そこにも何らかの理由があるように思われます。そこでちょっと時計の針を戻して、かつて生活習慣病ということばが一般化されていなかった当時のことを思いだしてみることにしましょう。

生活習慣病と成人病

確かに生活習慣病ということば自体は比較的新しいことばであるように感じられるかもしれませんが、では、生活習慣病ということばが生まれる(あるいは一般化される)前に日本人が健康をないがしろにしていたというわけでは決してありません。しかも現代と同じように、生活習慣と直接的に関係している病気にかからないように注意しようという姿勢は、当時も多くの日本人が目標とした姿勢でした。

そのころ主につかわれていたことばがありました。もちろん、生活習慣病ということばに置き換えられる意味を持つことばです。それが、上ですでに触れている成人病ということばでした。もちろん今でも成人病ということばが完全に消滅したわけではありませんが、やはりイメージとしては、生活習慣病ということばにとって変わったのが成人病ということばであったという印象があります。

では、成人病と生活習慣病はまったく同じ病気なのか、それとも微妙に異なる病気なのか。それともそもそもまったく別モノなのかというところについて、ちょっと探りを入れてみたいと思います。まずは、それぞれのことばの定義を確認してみましょう。

生活習慣病とは

生活習慣病とは、食生活、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などをはじめとする生活習慣が原因となって発症する病気の総称のことです。生活習慣病に類する、つまり、生活習慣が原因となって発症すると考えられている病気の代表的なものが、がん、心臓病、脳卒中、高血圧、糖尿病、肥満(またはメタボリックシンドローム)、脂質異常症(高脂血症)などであると考えられています。

成人病とは

主に生活習慣病の旧称として理解される病気の総称です。つまり、かつて成人病と呼ばれていた病気が、現在では生活習慣病と呼ばれるようになりました。生活習慣病の特徴として、加齢が挙げられることから、成人病という言われ方が当初はされていました。

ということで、基本的には生活習慣病と成人病とは同じものであるという解釈のしかたで問題はありません。ただ、呼び方が変わるということは、そこに何かしらの改善、改良の意図があったということになりますので、その部分だけはちゃんと理解しておかなければなりません。

成人病ではなく、生活習慣病でなければならないワケ

確かに、がんにしろ脳卒中にしろ、血圧の問題にしろ脂質異常症にしろ、基本的には年齢を重ねることで発症しやすい病気であることは間違いありません。だからこそ、かつてこれらの病気は、大人になってから起こる病気という意味で、成人病と名付けられたわけです。しかし、成人病では正しくこれら病気の特徴を表していないという理由で、生活習慣病という呼び名に変更されたこともまた間違いありません。

つまり、生活習慣病は、成人だけが発症する病気ではなく、生活習慣次第では、未成年者も発症するおそれがある病気であるというところが、最も重要なポイントであると考えられます。また、成人したらとたんに発症するというタイプの病気でもありません。成人して飲酒や喫煙をするようになると発症しやすいというニュアンスのほうが、成人病という響きからはむしろ色濃く感じられます。

そしてまた、年齢を重ねていったとしても、生活習慣を正すことによってこれらの生活習慣病を回避することは十分可能であるという意味も、この名称の変更には込められていると思います。

基本的には、病名が変わったからといって病気の特徴や原因といった病気そのものが変化しているわけではありません。ただ、病名を変えることで、誤解を生じにくくすること、正しい対策を可能にすることができるようになるというメリットが生じるのです。このことは、数々の生活習慣病を検証する上で、非常に重要なことであるといえるのです。

生活習慣病予防のススメ

成人病というと、年齢を重ねることで起こりやすいというイメージは確かにあります。ですから、年齢を重ねることで上記の病気を発症してしまうと、ああ、やっぱり俺も、私も、成人病にかかってしまったか・・・という、どこかあきらめの境地のようなものが芽生えてしまうこともあるのではないでしょうか。もちろん、そんなことはないよという人もいるとは思いますが、イメージによってマイナスを被ってしまうことが問題なのです。

しかし、生活習慣病というと逆に、生活習慣によって病気になることもあれば、生活習慣を改善することによって病気を回避することができることもあるという解釈が、以前よりもしやすくなる名前ではあります。この部分は、特に健康意識が高まっている日本人にとっては非常にプラスを生む部分であるといえるでしょう。

健康意識が高い日本人であれば、今さら生活習慣の予防をしようなどという啓蒙・啓発など意味がないことのようにも思われるかもしれません。しかし生活習慣病は生活習慣によって発症することも回避できることもあるのだということを改めて意識することができれば、より生活習慣病の予防への意欲は向上するのではないかという気がします。

何かをしなければならないという意味をもつ英語には、mustとhave toがあります。どちらも何かをしなければならないという意味ではありますが、実はこの両者は微妙に異なっています。mustは自発的に何かをしなければならないと考える際に用いることが多く、have toは誰かに何かをしなければならないと指示される、諭されるような意味があるという話を聞いたことがあります。実は生活習慣病と成人病の間の関係もこれに似たところがあって、生活習慣病の予防は、より自発的であることが望ましいという印象を与えます。

もちろん感じ方は人それぞれですから、どのように考えなければならないというものでもありません。ただ、もし自発的に生活習慣病を予防しようという気持ちになれたとすると、いろいろなメリットを生む可能性が高まるという気もするのです。

そこに、成人病ではなく生活習慣病であるメリットを見出すことができるのではないでしょうか。

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