喫煙者はほんとうに危ない!慢性閉塞性肺疾患の恐怖を徹底検証!

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

慢性閉塞性肺疾患(COPD)について

喫煙者にとって脅威となるタバコ病のひとつに、慢性閉塞性肺疾患(COPD)が挙げられます。タバコを吸う人が最も恐れる病気といえば、やはり肺がんをはじめとする癌になるでしょう。実際、喫煙は発がん性物質を体内に大量に取り入れる、もしくはそれと等しいレベルの行為ですから、がんの怖さは、喫煙者からすれば共通の恐怖でしょう。

ただ、実際に発症するリスクが高いという意味では、がん以上に慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼ばれる生活習慣病のほうであるといえるかもしれません。実際、有識者の中には、喫煙者が最も恐れるべきは、がんよりもCOPDだとする説を唱える人もいるくらいです。そうした傾向も何らかの根拠に基づいた見解として反映されているのかもしれません。

癌という、人類を脅かす病気との比較はともかく、COPD自体が非常におそろしい病気であるということだけは間違いありませんので、改めて、ここからはCOPDについてお話していきたいと思います。

COPDの病態について

正しくは慢性閉塞性肺疾患という病名をもつCOPDですが、この病気は、確かに喫煙者には比較的よく見られる生活習慣病(タバコ病)ではあります。ただ、この症状を発症してしまうと、生活に支障をきたすレベルで厄介な病気であるともいえます。ですから、タバコを吸っているならCOPDになっても仕方がない・・・などと考えるべきではありません。

では、COPDという病気はいったいどんな症状なのかということについてお話していきます。COPDは、よくいわれる表現としては肺気腫と慢性気管支喘息の中間的な症状であるとされます。ただ、中間的とはいっても、症状の進行レベルによっては肺気腫や慢性気管支喘息よりもずっと苦しいといわれることもあるのが、COPDの大きな特徴です。そして、COPDのその苦しさをひとことで表現したのが、“死ぬよりも苦しい”ということばです。

それでは、COPDの症状をより具体的にイメージするために、ここでまずは肺気腫と慢性気管支喘息について、その症状の部分だけ簡単に説明しておくことにしましょう。どちらもタバコ病に数えられる病気ですが、発症原因の詳細に関してはあえて触れないことにします。

肺気腫の症状とは

最近では肺気腫がCOPDの一種であると定義されることが多くなってきています。ですから、COPDの病態を説明するときに、肺気腫に似た症状であるというのも考えてみれば当然ではあります。ただ、肺気腫という病気の症状をCOPDとは無関係に説明するのであれば、肺胞が破壊されていく病気であるという説明になります。

逆に言えば、肺気腫がCOPDの一種であるということは、COPDという病気を発症すると、肺胞が破壊されていく病気にかかっている可能性が高いということにもなります。

慢性気管支喘息(慢性気管支炎)とは

慢性気管支喘息、もしくは慢性気管支炎は、気管支喘息(気管支炎)に見られる気道の炎症により、気道が狭窄する症状です。そのため、喘鳴などが起こりやすく、咳や痰による呼吸困難を発症するという特徴があります。そして、そうした気管支喘息の症状がほぼ慢性的な症状が、慢性気管支喘息です。

上記の説明から、肺気腫と慢性気管支喘息との中間的症状であるCOPDが、死ぬよりも苦しいなどといわれるほどつらい病気であるというイメージは、おそらくみなさんにも伝わったのではないでしょうか。生活習慣病というと、私たちにとってあまりにも身近だからこそ、どこか軽い病気のイメージもありますが、COPDのように死を超越するとまで言われるほど苦しい病気であっても、同じく生活習慣病であることには間違いありません。

COPDの予防方法や治療方法について

COPDは生活習慣病以前にタバコ病の側面が強いです。したがって、COPDを予防する上では、どうしても禁煙が前提になることは揺るぎません(タバコは無関係のCOPDもまれにあります)。ですから禁煙を前提として、COPDの予防や治療を考えていきます。

COPDの検査について

COPDは重症化すると非常に苦しい病気です。しかし初期的段階においては、自覚症状よりも病院での検査のほうが発見の確率は高まります。COPDも他の生活習慣病と同じく、早期発見が治療への重要なヒントということになります。そのためにも、特に喫煙者は医療機関でCOPDの検査を行うことが大切ということになります。

その検査の方法として、1秒率という肺活量を測る検査が有効です。1秒率における肺活量が70%を下回るときには、何らかの呼吸器系疾患が起こっているという判断がなされます。そして、そこからさらに詳細な検査をして、他に何の病気も見つからなかった場合、肺活量の問題の原因がCOPDの発症にあると判断されることになります。

COPDの予防方法について

COPDを予防考えるためには、上でもお話したとおり、まずは禁煙が大前提ということになります。症状としては、COPDを発症する前段階からその兆候が表れるようになります。たとえば、ちょっとした階段を昇るだけでも呼吸が苦しくなったりするのがCOPDの初期的段階によく見られる症状です。症状が進行していくと、呼吸困難(特に呼気の排出が困難になる)が顕著になります。

ですから、まずは普段の生活の中で、呼吸に関する異常を感じるようになった喫煙者の方が真っ先にCOPDを疑い、禁煙を真剣に考え、禁煙に向けた何らかのチャレンジをスタートさせることがCOPDを悪化させないための予防策になります。その意味では、広義では禁煙治療を行うなどの手法も、COPDの予防策であるといえるでしょう。

COPDの治療方法について

COPDの治療に関しても、多くは禁煙治療に代替されることになります。日本におけるCOPDの発症原因の9割近くが喫煙にあると考えられていますので、日本では、COPDの治療は禁煙治療にほぼ等しくなります。しかも、タバコの本数を減らすだけでなく、完全な禁煙が望まれます。

たとえば、アルコール性肝疾患などの場合は、アルコール摂取量を減らすことでも改善の効果が見られることが多いですが、COPDの場合は、喫煙本数を減らすだけではあまり効果が見込めませんので、完全に禁煙することが望ましいといえます。

ただし、お酒をやめれば回復の見込みがある肝臓とちがって、COPDを発症すると、もう肺は元通りには戻らないため、COPDの治療の最大の目的は、正常な機能を果たすことができる元気な部分の肺組織をこれ以上悪化させないというところにあるといえます。だからこそ、COPDを発症したら、完全な禁煙以外に治療の道はないのです。

では、その治療方法は具体的にどうするのかということになると、やはりどうしても禁煙できない人のためには、医療機関での禁煙治療が必要になります。そして、呼吸困難の苦しみから解放されるためには、気道を拡張するという対症療法を採用することも多いです。また、呼吸を正常に戻すためのリハビリテーションが行われることもあります。

ただ、そうした投薬治療にしてもリハビリにしても、とにかく喫煙をしていないという状況下で行われてはじめて効果らしい効果が表れると考えるべきです。ですから、COPDを治療するためには、どんなことがあっても喫煙が許されないということを認識していただきたいと思います。

という具合に、ここまでは慢性閉塞性肺疾患・COPDについていろいろお話してきました。率直に言って、喫煙者の方からすると、今回お読みいただいた内容は、正直生きた心地がしない内容だったのではなかったでしょうか。とにかくタバコを吸っている以上はCOPDがいつ発症しても不思議ない生活習慣を送っていることになります。また、どんな治療をしても、タバコを吸っている以上はCOPDが快方に向かうことなどありえないということを、とにかく肝に銘じていただきたいと思います。

そしてまた、COPDの次のステージに悪化したときには、肺がんというタバコ病の中でも最もおそろしい生活習慣病を発症するリスクが急激に高まるということについても、ちゃんと理解しておくべきです。だからこそ、いかなる理由があっても、健常者であれ呼吸器系疾患の罹患者であれ、タバコなどすぐにでもやめるべきなのです。

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