糖尿病を悪化させないためにコーヒーやカフェインの認識を厳密に!

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コーヒーが糖尿病大国・日本を救う!?

近年コーヒーの持つ効能の素晴らしさが話題になることが多くなってきました。コーヒーというと、高血圧の予防の効果が極めて高いともっぱらの評判ですが、実はコーヒーには高血圧予防以外にも効能が確認されています。

ところで、日本は糖尿病大国といわれるほど糖尿病患者の数が多いです。世界でダントツの首位が中国、そして2位がインド、そこからまた大きく開いて3位がアメリカという順で続きます。これはあくまでも人口が多い順であり、また、糖尿病の罹患者数もいかにも人口の比率と似た関係があります。

では、日本の糖尿病人口はどうかというと、4位がロシア、5位ブラジルに次ぐ6位ということで、国の大きさを考えれば上位5か国とくらべてダントツに小さい日本が6位にランクインしたというのも、これは正直かなり不名誉なランクインということになるでしょう。

日本人の健康意識が高まっているとは言え、糖尿病の罹患者数はむしろ増加傾向にあるといわれています。日本といえば和食が思い浮かぶと思いますが、和食は健康面への好影響を含むさまざまな意味での高い評価によってユネスコの世界無形文化遺産に登録されるほど、極めて健康的な食事であるといわれています。であるにもかかわらず、日本食離れがあるにしても、糖尿病患者の数が多いというのはとても残念ではあります。

ただ、そんな糖尿病大国ともいえる日本を、もしかしたら救ってくれるかもしれないのが、和食とはほど遠いコーヒーであるというのも少々意外な感じがしますが、実はそうなのです。コーヒーが糖尿病を予防してくれるかもしれないという話が、近年まことしやかにささやかれているのです。

そして、日本人の中にも今はコーヒーを飲用する人が非常に増えているということで、糖尿病予防への大きな期待が持たれているのです。

コーヒーが糖尿病を予防するという説について

もともとコーヒーの効能が糖尿病の予防にあるということについてはあまり知られてはいませんでした。ところが、コーヒーが肝機能の改善に効果があるということがわかってきたことから、さらなる健康効果がコーヒーに期待できるのではないかと研究されたところ、糖尿病予防の面で効果が認められることがわかったのです。

日本人の糖尿病人口が、国の総人口と比較して多いのは、もともと日本人は糖尿病に罹患しやすい体質の人が多いという遺伝的性質があるようです。これが、日本人を糖尿病大国へと押し上げた一因になっているということは間違いないでしょう。もちろん、和食から離れた食生活の変化も糖尿病人口が増加する一因にはなっているはずです。しかし体質的に糖尿病に強い人種であれば、食生活に変化があったとしても、そう簡単に糖尿病人口が増えることもないはずです。

そういう遺伝的、人種的な特徴もありますから、日本人として生まれてきた以上、糖尿病にかからないための工夫や努力が必要になるといえるのです。その助けとなるのが、コーヒーなのです。

欧米人と日本人の糖尿病患者のちがいについて

日本人で糖尿病にかかる人がどんな人なのかというと、やはり肥満やメタボリックシンドロームなど、やや太り気味の人が糖尿病にかかりやすいといえます。しかし、欧米人のことをちょっと考えてみてほしいのですが、欧米人は日本人の糖尿病患者よりもはるかに太っているにもかかわらず、糖尿病に罹患していない人が多いのです。

もちろん、欧米人にだって糖尿病患者は多いです。日本人とくらべても、欧米人、特にアメリカ人の糖尿病患者の数は多いということは、すでにお話したとおりです。ただ、問題は、日本人の糖尿病患者とは、糖尿病に罹患するまでの猶予の面でまったく異なるといっても過言ではないのです。つまり、妙な言い方になりますが、日本人よりもはるかにいい加減な生活習慣を送ったとしても、欧米人は日本人よりも糖尿病になりづらいのです。

もちろん、日本人よりも欧米人のほうがコーヒーをよく飲むという習慣がありますが、多少その影響で欧米人が糖尿病になりづらいということがあったとしても、基本的には人種、遺伝といった目に見えない要素が欧米人と日本人との間の糖尿病罹患リスクの違いに現れると考えなければなりません。

しかしそうは言っても、日本人にとってはそうしたほんのわずかなヒントが、糖尿病予防への重要な手がかりにならないとは限らないのです。もちろん、日本人の多くが好む緑茶には、がん予防の効果があると考えられていますし、実際糖尿病の予防の効果も緑茶にはあるといわれています。

ただ、飲む量としては、やはり欧米人がコーヒーを飲む量のほうが、日本人が緑茶を飲む量よりもはるかに多いと考えられます。ですから、糖尿病予防のためには日本人もたくさん緑茶を飲めばよいわけですが、ただ、緑茶というはそうそうガブガブ飲めるというわけではないということにも思い当たるでしょう。

それならば、緑茶をこれまでと同じ量だけ飲み、くわえてコーヒーを飲むようにするとよいのではないかと、そんなふうにも思われるのです。ただし、これはあくまでも、糖尿病予防という観点での話です。特に、臨界型糖尿病、つまりは糖尿病予備軍の人に対しては、コーヒーをはじめとするカフェインの摂取量を常識の範囲で増やすことで、なんとか糖尿病の罹患を食い止めることができるといった事例も実際に報告されているのです。

しかし、すでに糖尿病に罹患している患者さんともなると、話は別です。ここからは、糖尿病患者とコーヒーなどカフェインとの関係についてお話していきます。

糖尿病にすでに罹患している人はコーヒー(カフェイン)摂取に注意が必要!

血糖値やインスリン抵抗についての健常者や、あるいは糖尿病予備軍(臨界型糖尿病)の人にとって、コーヒーなどのカフェイン含有飲料は、糖尿病の予防には非常に効果的であると考えられています。ただ、すでに糖尿病に罹患している患者さんの場合、糖尿病を予防したいと考えている人と同じようなつもりでコーヒーなどのカフェイン飲料を糖尿病の進行抑制を目的として飲用するのは非常に危険であることが、研究によってわかってきています。

コーヒーなどカフェイン含有飲料の過剰摂取が糖尿病を悪化させる!

糖尿病の罹患前である糖尿病予備軍だとか臨界型糖尿病だとか呼ばれる状況の患者さんと、現在すでに糖尿病に罹患してしまった、つまりもう糖尿病としての何らかの症状を発症しているという患者さんでは、いったい何が違うのかということを理解することは重要な意味があります。糖尿病予防としてコーヒーが効果的であるにもかかわらずコーヒーが糖尿病の進行を助長させる理由がわかります。

まずは、なにをもって糖尿病であるのかというと、糖尿病の定義からすれば、血糖値が基準値を常時、もしくはそれに近い頻度で上回っている症状を指します。ではなぜ血糖値が基準を上回るのかというと実は、インスリンが十分に分泌しないことがその原因であって、つまり、言い換えればインスリンが正常に分泌しない病気が糖尿病(2型糖尿病)であるとも言えなくはありません。

これに対し、糖尿病予備軍、もしくは臨界型糖尿病という状況であれば、糖尿病とくらべてまだインスリンはしっかりと分泌しています。ただ、血糖値が上昇しやすく、基準を上回ることが少なくないことで、その後の糖尿病が懸念されるということになります。そして実は、この両者の差が、コーヒーなどのカフェイン含有飲料による作用にも差となって表れるのです。

カフェインの働きには、脂肪を燃焼させる働きがあり、逆に炭水化物が利用されにくくなる特徴があります。つまり、インスリンが正常に分泌している人であれば、コーヒーなどの摂取によってカフェインが有効に脂肪を分解し、炭水化物が分解されてブドウ糖がつくられたとしても、インスリンがしっかりと対処してくれるため、血糖値の上昇は見事に食い止められます。

ブドウ糖は生成されるものの、脂肪が有効に燃焼されることによって、肥満のリスクが軽減するため、結果的に糖尿病の予防につながると考えられるのです。これが、カフェインを含有しているコーヒーが、糖尿病を予防すると考える根拠になります。

ところが糖尿病患者の場合、肝心なインスリンが正常に分泌しない状況ですので、上記でお話したように、カフェインの効果によって生成されてしまったブドウ糖の影響がダイレクトに血糖値の上昇へと作用してしまうのです。ですから、糖尿病患者がコーヒーをはじめとするカフェイン含有飲料をガブガブ飲むのは決してプラスにはならないのです。

以上が、糖尿病患者とコーヒーおよびカフェインの、そして健常者や糖尿病予備軍(臨界型糖尿病)とコーヒーおよびカフェインの関係ということになります。

ということで、コーヒーは糖尿病予防にもつながる反面、糖尿病患者にとってはマイナスになってしまうということだけは、しっかりとおさえておくべき事実であるといえるでしょう。特に糖尿病にすでに罹患しているという患者さんは、このことをしっかりと覚えておいていただきたいと思います。

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