予防方法を確立しづらい慢性腎臓病にも予防方法はちゃんとある!

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

早期発見は生活習慣病予防の基本!

慢性腎臓病(CKD)は、生活習慣とは無関係もしくは直接的な原因に生活習慣が挙がらないにもかかわらず罹患・発症することがあります。しかしいろいろな事情から、CKDは生活習慣病の一種であると考えられていますので、一般的な生活習慣病と同じスタンスで、予防方法を考えていくことが大切であるといえます。

生活習慣病の多くは、早期発見によって重症化させないことが何よりも重要な予防方法です。そして早期発見のためには、まずは検査をしっかりと行うことも重要です。しかも思い付きの検査ではなく、CKDの予防方法としては定期的な検査がより重要になってきます。

また、CKDは単独で発症するわけではありませんが、別の生活習慣病とのかかわりが非常に大きい病気であると考えられています。単に腎機能の検査を行うのではなく、いくつかの項目をまとめてチェックする血液検査を行うことが重要であります。

もちろん、一般的な生活習慣病のくくりで考えたとき、早期発見や予防として重要な意味を持ちますので、血液検査をすることが大切になるわけですが、それ以外にも、CKDのチェックを定期的にしたほうがよい理由があります。

CKDは重症化するまで自覚症状がない

CKDの検査を定期的にしておいたほうがよい理由のひとつに、CKDは重症化するまでは自覚症状が表れないという特徴があります。CKDといえば、腎疾患特有の症状が現れます。たとえば、だるさやむくみといった典型的な症状をはじめとして、ほかにも貧血やめまいなども現れることがあります。

しかし、これらの症状が自覚されるとき、もしその原因が腎疾患にあるとするならば、かなり腎疾患が進行しているということを覚悟しなければならないといえます。腎疾患が悪化してしまうと、完治を目指す意味での治療方法が確立していない現代医学においては、治療方法の選択肢が限定されることを意味するからです。

治療方法が限定されるということは、ある治療で効果が見られなかった場合、それでは別の治療方法に切り替えて治療していきましょう・・・というトライアルをあまり多く実施することができないという側面があるのです。だからこそ、最終的には人工透析治療を行う以外にすべがないというのが、CKDの症例には比較的見られやすいということになるのです。

将来的な予後を予測すると、重症化させるべきではないといえ、予防のためには早期発見が意外に道はないと言っても過言ではないのがCKDという病気の最大の特徴なのです。

CKDのチェックは血液検査のどの項目を見ればよい?

慢性腎臓病CKDのチェックを定期的に行うことが非常に重要であるということをご理解いただけたかと思います。では、予防のためには血液検査などの検査結果のどの項目をチェックすればよいのかという部分も重要になってきます。

血液検査でCKD予防のチェックをする

血液検査でいえばクレアチニンの値です。クレアチニンは、血液中に含まれる老廃物のうち、腎機能と関連がある物質の総称です。腎臓の役割は、血中で不要になったものを尿として対外に排出することで、それ以外のものは何もせず血液として循環させることになるわけですが、万一腎臓が機能しないと、尿中には老廃物が排出されず、血中に残ってしまうことになります。

その目安となるのが、血中のクレアチニン値である血清クレアチニンです。血清クレアチニン値が基準範囲を超えている場合、腎機能が低下している可能性が非常に高くなります。そのケースでは、さらなる精密な検査と今後への早急な対策が必要になる場合もあります。

尿検査でCKD予防のチェックをする

腎臓の機能が正しく果たされているかどうかをチェックするためには、ひとつに血液検査による方法がありますが、もうひとつは尿検査による方法があります。尿検査にもかなりの数のチェック項目があるのですが、当面は、尿たんぱくがどの程度出ているかという点に注意しておく必要があります。

尿たんぱくが多くなると、腎機能の低下の可能性を示唆することになりますので、まずは尿たんぱくの数値がどうかというところをチェックしてください。他にも、潜血や尿素窒素の数値にも注意を払っておけば問題ないでしょう。これらの数値が習慣的に基準値外にあるというケースでは、かなりの確率でCKDを発症している可能性が高まりますので、精密な検査をしておくことをおすすめします。

CKDを予防する方法はある!

慢性腎臓病は、たとえば血液検査や尿検査によって腎機能が低下しているということがわかったとしても、実はそれ以外の余波弊害、つまりは、CKDとはまた別の生活習慣病を呼ぶ、もしくは別の生活習慣病がCKDを呼んでいるというケースも多いです。そもそも生活習慣病という病気は、いろいろと互いに関係しあっているケースが多いです。とはいえ、CKDに関しては特にその傾向が強いということをある程度おさえておいたほうがよいでしょう。

ただ、CKDにはさまざまな余波弊害を生む可能性が高い傾向があるということは、CKDが別の生活習慣病のサインになっているケースも多いということになります。これはある意味メリットです。CKDを利用するというと妙な言い方になりますが、CKDがあることで別の病気を発見・予防することができる可能性も生まれることは生まれます。そういった考え方を採用することも大切であることは間違いないでしょう。

血圧からCKDの危険を探る

高血圧というと、やはり動脈硬化、心筋梗塞などの心疾患、脳梗塞などの脳疾患とのかかわりが大きいと考える人が多いかと思います。しかし実は意外なことに、高血圧の状態が続く患者さんは、慢性腎臓病の傾向が高いこともわかっています。動脈硬化が進行すると、腎臓における血圧調整の機能が果たされなくなることで、血圧上昇はさらに進行すると考えられています。

そこには、血圧が上昇傾向にある→動脈硬化が起こる→腎臓血圧が上昇する→血圧がさらに上昇する・・・といった、一種の悪循環が生じていることになります。ですから高血圧の傾向が高い人は、CKDについても十分注意するようにしていただきたいと思います。

血糖値からCKDの危険を探る

血糖値が常に基準値よりも高い状態を、一般的にはひとことで糖尿病と表現することになります。しかし実は、糖尿病という生活習慣病は、合併症がたくさん起こりうることももちろんそうですが、血糖値が高いだけで腎臓に負担がかかるということにもしっかりと注意を向けておく必要があります。

血糖というのは、エネルギーとしてはもちろん重要ではありますが、ただ、常時血糖値が高いことで、各臓器に大きな負担がかかり続けることになります。中でも、腎臓にかかってくる負担は非常に大きいといえます。ですから特に糖尿病をすでに発症している患者さんは、腎臓の健康をケアするためにも、まめに血液検査を行い、血糖値を適正範囲にコントロールすることが重要です。

毎日の運動は必須!

ウォーキングをはじめとする有酸素運動は、いろいろな面でメリットが見込めると説明されることが多く、また、いろいろな生活習慣病に対しても予防効果が絶大であると言われます。中でも、慢性腎臓病の予防効果が非常に高いということもわかっています。

というのも、ウォーキングなどの有酸素運動は、尿たんぱくの減少、高血圧、脂質代謝の改善といった、CKDの予防につながる効果が非常に高いということがわかっているからです。もちろん、ウォーキングなどの有酸素運動によって、身体機能そのものが向上することもわかっていますので、そうした傾向からも、CKD予防には非常に効果的であることがわかります。

1日30分程度の有酸素運動を目安として、可能な限り毎日行うことを目標にしていただきたいと思います。

減塩によるCKDの予防

慢性腎臓病をはじめとする腎疾患は、太りすぎがいけないとか飲みすぎ食べすぎがいけないとかいろいろなことが言われますが、中でも特に重要になってくるのが、塩分の摂りすぎは絶対にいけないということです。上でも、高血圧はCKDにとって大きなマイナスになるというお話をしました。であるとすれば、塩分摂取量が多いと高血圧の直接的な原因になりますので、CKDを予防する上で、塩分の過剰摂取だけは見過ごすことができないということにもなるのです。

1日の塩分摂取量の目安は6g(未満)といわれています。この公的なデータを重視して、塩やしょうゆ、味噌の塩分をしっかりとコントロールしているにもかかわらず、高血圧が改善されないという人も多いです。これは、いわゆる加工食品(ハム、ソーセージ、かまぼこ)やインスタント食品に含まれている塩分を間接的に摂取しているケースが多いからです。

つまり、減塩するということは、調味料から塩分を減らすだけでなく、加工食品やインスタント食品による塩分摂取もしっかりとコントロールする必要があるということになります。

太りすぎは絶対にNG!

慢性腎臓病を予防するためには、どんなことがあっても太りすぎの状況から脱却しなければなりません。体重を増やすと、肝臓にも腎臓にも良いことは何ひとつありません。というのも、やはり体重と血圧の関係はきわめて密接で、体重が重い人ほど血圧が上がりやすくなるという傾向は顕著です。

再三お話しているように、血圧が高いことがCKDへの布石となってしまう例はあまりにも多いといわなければなりません。ですから、ウォーキングに代表される有酸素運動は可能な限り毎日行われなければなりませんし、食事の量もちゃんとコントロールすることによって、塩分摂取量を抑え、体重制限もする必要があるということになります。

禁煙は絶対条件!

喫煙と血圧の関係は非常に密接です。喫煙者の血圧は、非喫煙者の血圧にくらべてだいぶ高い傾向にあることもわかっています。これまでにも何度も繰り返してきたように、血圧の上昇はCKDの予防を妨げる最大の要因になります。CKDを予防するためには、禁煙することは絶対条件であると考える必要があるでしょう。

上記のすべてをしっかりとコントロールすることが大切!

慢性腎臓病を予防するためには、何かひとつクリアできればよいということではなく、上記すべてがクリアされていなければならないということになります。ただし、人によってはどれもクリアすることが非常に難しく感じられることになると思います。ですから、できるところから少しずつでもはじめる必要があります。

腎臓系の検査結果をまずはご覧ください。あくまでもCKDを予防するということをテーマにお話していますので、それはつまり、もしクレアチニンや尿たんぱくに異常がなかったら・・・という前提でお話をしていることになります。現状CKDの心配がない人であっても、上記の予防チェック項目がすべてクリアできていないと、将来的にはCKDを発症するリスクが高まるということになります。

すでにCKDの傾向があるという人は、ただちに上記のチェック項目をクリアしなければならないということになります。なかなか難しいことであるとは思いますが、ご自身の将来のためには、何としても目標を達成するしかありません。腎臓という臓器は、そのくらいデリケートであり、また、それだけダメージを受けやすい臓器であることをご理解いただきたいと思います。

それでも、どうしても難しいと感じるのであれば、とにかく、血圧をなんとかして下げること、上げないことを重視してください。運動して食事にも気を付けているにもかかわらず、血圧がなかなか下がらないという人は、お医者さんでの相談はもちろんそうですが、水分を多めに摂取することを意識して、排尿量を増やすような努力も効果的な場合もあります。

上記のCKD予防がどうしても難しく感じられる人は、少しでも多く水を飲む努力をしてみていただきたいと思います。

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