がん患者に希望の光!がん患者の10年生存率は年々上昇傾向にある!

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

がん患者の5年生存率と10年生存率

ふつうの疾病であれば、生存率のデータが集計されるようなことはほぼありません。しかし特殊な感染症などをはじめとする重篤な疾患に対しては、生存率のデータが集計されることがあります。重篤な疾病として私たちに最も近い存在であるがんも、5年生存率、10年生存率のデータが集計されています。数ある生活習慣病の中でも、生存率が公表されるのはがんくらいでしょう。

正確ながん生存率を算出するのもかなりたいへんな作業になりますが、ここではそういう難しい話は割愛し、がん全体、部位別に見たがん生存率についてお話していきたいと思います。ここでは、相対生存率と呼ばれるデータについて説明を加えることにします。

5年生存率

1997年に62.0%だった全部位全臨床病期(がん)の5年相対生存率は、2007年には68.8%まで上昇していることが、国立がんセンターから公表されました。そうした進化の理由として考えられる要因はいろいろありますが、中でも化学療法、放射線治療や早期発見技術の進歩がこうした進化をもたらしたというのが、国立がんセンターの見解です。

それでは、5年生存率を部位別に検証してみることにします。生存率が高い順に、次のような結果が出ています。部位のあとの( )内が5年生存率になります。

前立腺(100%)、乳(92.9%)、甲状腺(91.6%)、子宮体(84.9%)、大腸(75.9%)、子宮頸(75.1%)、胃(73.1%)、卵巣(61.0%)、肺(43.9%)、食道(42.3%)、肝臓(34.8%)、胆のう胆道(28.9%)、膵臓(9.1%)以下・・・という順番になっています。

がん患者の生存率が高いか低いかの差は、多くは早期発見できるかどうかにかかってきます。膵臓などは、早期発見が難しい部位であるということはよく知られるところで、その難しさがこういった数字に現れているといえます。

10年生存率

10年相対生存率は今回はじめて集計されました。測定機器や測定環境が整ってきたことで、これまで難しいとされてきたがん10年相対生存率の集計が実現されたのです。国立がんセンターの公表データによりますと、全部位全臨床病期(がん)の10年相対生存率は58.2%でした。

上記の5年生存率とは別のデータが採用されているため、上記と今回では5年生存率が異なる数字になりますが、こちらのデータベースにおける5年生存率は63.1%でした。ということは、その後の5年間で4.9ポイント生存率が下落することになります。

ただし、この4.9%のすべてが同じ部位のがんの再発、もしくはがんの転移による死亡であるかどうかが不明です。がんを発症した人のうち、63.1%の人が5年間は生存し、その後の5年間も合わせて10年間生存したのが58.2%であるということだけが事実としてわかるデータになります。

それでは、10年生存率を部位別に検証してみることにします。生存率が高い順に、次のような結果が出ています。部位のあとの( )内が10年生存率になります。

甲状腺(90.9%)、前立腺(84.4%)、子宮体(83.1%)、乳(80.4%)、子宮頸(73.6%)、大腸(69.8%)、胃(69.0%)、腎臓(62.8%)、卵巣(51.7%)、肺(33.2%)、食道(29.7%)、胆のう胆道(19.7%)、肝臓(15.3%)、膵臓(4.9%)以下・・・という順番になっています。

年数が経過すれば、それだけがんによる死亡率が増加するのは当然です。したがって、5年生存率にくらべて各部位ともポイントが下落するのは仕方がないところではあります。ただ、5年生存率がすでに低い部位は、10年生存率の下落率が大きくなるというのがひとつの特徴として現れています。

特に、肝臓と膵臓は、5年生存率にくらべて10年生存率が半減以下に下落しているということがデータからは明らかになっています。逆に、乳がんや前立腺がんのように、早期発見のためのツールが充実してきた部位のがんについては、10年生存率も依然として高いことがわかります。

乳がんの場合マンモグラフィー検診、前立腺がんの場合腫瘍マーカーがそれぞれ普及していることが、これらのがんの早期発見を実現しています。特に、最初期段階である病期1での前立腺がんの発見の場合、10年生存率もほぼ100%であるということもわかっています。

これは、前立腺がんの患者さんにとってはもちろんですが、それ以外のがん患者さんにとっても、非常に強い希望の光を見た思いになるのではないでしょうか。かつては不治の病といわれたがんも、最初期段階の発見であれば、100%生存できるわけですから、医療技術の進化は目覚ましいものがあると間違いなくいえます。

生存率解析システムKapwebの有効活用を!

国立がん研究センターでは、Kapwebと呼ばれる生存率解析システムツールを駆使し、上記の生存率を公表しています。Kapwebを有効活用することによって、がん患者さんの生存率はさらに上昇することが期待されます。

どういうことかというと、Kapwebにはがんの種類(部位)、病期、治療方法の3タイプのカテゴリーからデータを検索することができるからです。つまり、自分がどの部位のがんであり、そのがんがどの病期にあたるかがわかれば、その条件で最適な治療方法をKapwebを活用すれば検索することができるのです。

もちろん、生活習慣病の一種であるがんの場合、予防に万全を期すことが重要です。ただ、がんになってしまった人がこれまではどうしても受け身にならざるを得ない状況に置かれることが多かったのはおそらく事実でしょう。しかし、上記のようなシステムを駆使することによって、より最適な治療方法を選択することができるわけですから、それだけ生存率が高くなることが期待されるのはごくごく自然なことであるといえるでしょう。

そういった意味では、今後ますますがん患者さんの5年生存率、10年生存率の上昇も期待されますので、がん患者さんにとってはまさに希望の光ということになることでしょう。

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