多数の死亡者を出している脳疾患、予防できる部分は予防すべき!

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

中心的な脳疾患はいずれも生活習慣病!

脳疾患と呼ばれる疾患はいろいろありますが、脳疾患の中でも、罹患者数、発症件数が多いという意味で中心的な位置にあるのが、脳梗塞と脳出血です。そして、この両者の疾患に関しては、多くは生活習慣病であると説明されます。

飲酒習慣や喫煙習慣、塩分摂取量が多い、水分摂取量が少ないなどさまざまな生活習慣が影響して、脳梗塞や脳出血をはじめとする脳疾患に罹患し、発症することになるわけですが、今回は、この脳疾患に関するデータを検証・参照しながら、その特徴を把握してきたいと思います。

脳疾患にまつわるさまざまなデータ

脳疾患も心疾患と同じく、発症と同時に生命の危険と隣り合わせの状況を強いられます。そのため、万一脳疾患を発症したら1分1秒を争う瀬戸際の対応が非常に重要になります。実際どれくらいリスクが高い生活習慣病であるのかを知るために、まずは脳疾患罹患者、発症率、死亡者数などのデータを検証するところからスタートしてみたいと思います。

脳血管疾患の罹患者数と推移

脳血管疾患(主に脳梗塞や脳出血など)の罹患者数や数年の推移についてのデータを見ていきます。平成23年のデータによりますと、脳血管疾患の罹患者数は123万5000人にのぼるとされています。そのうち男性が61万6000人、女性が62万人という男女別の罹患者内訳になります。

この数自体は非常に多く感じられますし、また、実際にこれだけの脳疾患患者さんがいるというのは深刻な状況であることに違いありません。ただ、平成20年以降の3年間の推移を見てみますと、実は平成23年までで、脳血管疾患患者の数は10万人以上も減少しているということも明らかになっています。

厳密に言えば3年間で10万4000人も減少している脳血管疾患ですが、やはりこれは近年の健康意識の高まりの効果であると考えられます。運動習慣や減塩、禁煙、お酒の量をコントロールするなど、健康に対する意識が高まってきていることが、これだけ大きな改善を導く結果に至ったと考えて問題ないでしょう。この傾向は、非常に素晴らしい傾向であるといえます。

また、脳疾患の場合、発症後の治療方法としては、外来患者よりも入院患者のほうが大きく上回るというのがひとつの特徴になっています。心疾患などの場合は、生命の危険が迫っているという点では脳疾患と同じですが、外来会者数が入院患者数を上回るという傾向が見られます。ですから医療機関の利用方法については、脳疾患と心疾患では対照的であるといえるデータです。

脳血管疾患にまつわる年間医療費についてのデータ

今度は医療費絡みのデータになります。平成25年度の国民医療費のデータによると、脳血管疾患の医療費は、1兆7730億円にのぼったということです。同年の国民医療費全体が40兆を超えていましたが、脳血管疾患に関する医療費が1兆円を超えたということで、単純計算では、国民総医療費の実に2.5%以上が、脳血管疾患の医療費に充てられているということになるわけです。これはかなりの大きな医療費であるといわざるを得ないデータです。

では、脳血管疾患の医療費の年齢別の内訳を以下にまとめてみましょう。以下のデータも、平成25年度のデータになります。

  • 0歳~14歳・・・30億円
  • 15歳~44歳・・・489億円
  • 45歳~64歳・・・3095億円
  • 65歳以上・・・1兆4116億円
  • 70歳以上・・・1兆2559億円
  • 75歳以上・・・9946億円

脳血管疾患による年間死亡者数に関するデータ

ここからは平成26年1年間のデータをご紹介していきます。この年に脳血管疾患が原因で死亡された患者さんの総数は、11万4207人にのぼります。これは、すべての死亡事例の4.0%にのぼります。また、死亡原因疾患としては、脳血管疾患は第4位という高い死亡率を示す結果となっています。

脳血管疾患による死亡者の詳細原因の内訳は、最も多いのが脳梗塞で6万6058人、次いで脳内出血で3万2550人、その次がくも膜下出血で1万2662人、その他の脳血管疾患が2937人というデータになっています。

比率でいえば、上記のとおり、脳梗塞が圧倒的に高く、脳血管疾患に限れば、脳梗塞は60%以上を占めることになります。

さらに、脳血管疾患の死亡者を男女別に見てみますと、男性の死亡者数は5万4995人(男性の死亡原因で第4位)、女性の死亡者数が5万9212人(女性の死亡原因で第3位)というデータが公表されています。このように、男女とも、非常に多くの人が脳血管疾患に仆れたということがわかります。

介護と脳血管疾患の関係

少子高齢化が進んでいる現代ですから、どうしても介護と病気が結びついてしまうことになります。そして実は、脳血管疾患を発症した高齢者が、その時点で要介護者になるという事例が非常に多くなっています。結論から言えば、脳血管疾患が原因で要介護者となるお年寄りは、全体の2割に当たるといわれています。もちろん要介護者となる原因としてもっとも多いのが、脳梗塞をはじめとした脳卒中であるということになります。

だからこそ、近年は生活習慣を改善して脳血管疾患をはじめとする生活習慣病を予防し、少しでも介護のリスクを減らそうという動きが顕著化してきているとも考えられるのです。

脳血管疾患の年齢別受診率についてのデータ

脳血管疾患もやはり、年齢とともに増加の傾向が顕著になっていくため、医療機関で治療をする患者さんの数もまた、年齢とともに増加することになります。平成17年のデータによりますと、最も多い年齢別の階級が、80歳以上89歳未満の階級で、10万人あたりの受診者は4378人になります。ただし、このうち入院患者数が3313人、外来患者数が1065人ということで、入院患者数が外来患者数の3倍以上であるという点では、心疾患をはじめとする脳疾患以外の生活習慣病とは、受診の方法に関しては逆転現象が起こっているといえます。

次に多い階級が、やはり高齢者層である70歳以上79歳未満の階級になります。この年齢層階級の10万人あたりの受診者数は、急激に減少して1884人です。また、この階級でも、外来患者よりも入院患者のほうが、多少受診者数が多いという現象は、80歳以上の階級と共通する部分です。

続いて、また大きく減少しますが、60歳以上69歳未満の年齢層階級の脳血管疾患受診者が多く、この階級では10万人あたり752人が受診しているというデータが出ています。そして、この階級では、入院患者も外来患者も数的にはほとんどかわりませんが、それでも多少入院患者のほうが多くなっています。

もちろん40歳代、50歳代で脳血管疾患の受診をされる患者さんはいますが、どちらも少数であり、しかし、やはりどちらも外来患者数よりも入院患者数のほうが多くなっているというのが、脳血管疾患におけるすべての年齢層階級で共通している部分です。

今回は、脳血管疾患について、データを参照しながらお話してきました。やはり脳の疾患というのは、生命の危険が迫るということはもちろんですが、介護という高齢化社会ならではの問題と直結しているということもおわかりいただけたことと思います。

ということで、やはり将来のことを考えれば、早いうちからどんどん予防していけるというのが理想であるといえるでしょう。特に、飲酒習慣、喫煙習慣の見直し、そして、運動習慣を生活習慣の中に組み込むなどといった工夫をできることが理想であるといえるでしょう。

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