動脈硬化症の原因と症状を理解して、予防のための対策を立てる!

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

動脈硬化症について

動脈硬化症はたいへん怖い病気であることは周知のとおりです。日本人の死亡原因の4分の1に相当するのが、動脈硬化が原因の生活習慣病だからです。そして、動脈硬化が原因の生活習慣病の特徴は、心疾患や脳疾患の発症が顕著で、発症すると即命の危険にさらされることになるからです。

同じ生活習慣病でも、がんや糖尿病は確かに怖い病気ですが、発症してすぐに命の危険にさらされることはありません。しかし、心疾患や脳疾患の場合、発症の瞬間死を意味する症状であることも少なくありません。だからこそ、動脈硬化は怖い生活習慣病であると認識する必要があるのです。

今回は、動脈硬化をいかに予防し、そのための対策をどうすべきかについてお話していきます。

動脈硬化症の病態

健常者の動脈は、心臓から送りだされる血液が滞りなく流れる血管です。心臓が収縮と拡張を繰り返すことでポンプの役割をこなし、動脈に血液を送りだします。このとき、実は動脈自身も心臓の収縮、拡張に呼応する形で収縮、膨張しながら心臓から流れ込んだ血液を送っています。

ところがさまざまな原因によって、動脈血管の内壁に脂肪などの血中物質が付着するといったトラブルが起こります。そのため動脈を流れる血流が不順になることがあります。あるいは、動脈自体が柔軟性を失い、収縮・拡張が十分に行われなくなることがあります。これらの症状をまとめて、動脈硬化症と呼びます。

動脈硬化症は、主に大動脈で起こります。動脈には大動脈、肺動脈の2種類ありますが、大動脈は、肺で十分な酸素を補給して、心臓から全身に血液を送るための血管です。もちろんどの血管も私たちの生命維持活動を保全する上で非常に重要です。しかし大動脈に異常をきたすことで、全身の血流が悪くなるというリスクを考えると、大動脈で起こりやすい動脈硬化は何としてでも防がなければならない生活習慣病であるといえます。

初期の動脈硬化には自覚症状がない

それほど怖い生活習慣病であるにもかかわらず、動脈硬化を発症する人の数はなかなか大きな減少傾向には転じません。そこには理由があります。特に初期的な段階においては、動脈硬化症にはほとんど自覚症状が表れないからです。健康診断などで、動脈硬化が懸念される結果を目の当たりにしてもなお、自覚症状が出ていないため、具体的な恐ろしさを実感しない人が多いようです。その結果、動脈硬化への対策を怠り、最終的に動脈硬化を発症してしまうことになります。

動脈硬化症が進行することによって、冷え性や、手足のしびれといった症状が表れるようになります。しかし冷え性や手足のしびれが即動脈硬化であるとイメージされることは少ないです。この段階で動脈硬化を疑い検査をした人が、もう少しでたいへんなことになっていましたよと医師から宣告され、肝を冷やしたという話もあります。

さらに進行・悪化して動脈硬化症が重篤化すると、心臓や脳、大腸や小腸など、全身のいたるところに異常が見られるようになります。そして、症状や発症した箇所によっては、最悪の場合死に至ることもあります。

これが動脈硬化という病気の病態であり、自覚症状が表面化しづらいということも、動脈硬化の発見の難しさの一因となっています。

動脈硬化が起こる原因

動脈硬化症は、代表的な生活習慣病です。ですから当然、生活習慣の乱れによって、動脈硬化症を発症しやすくなるといえます。そして、加齢も原因のひとつになります。ということは、中年以降に生活習慣を乱すことによって、高齢になってから動脈硬化を発症しやすくなるということがいえます。

働き盛りの世代に生活習慣を乱さないようにしろというのもなかなか難しいところがあります。しかし、将来のことを考えるなら、やはり一番元気に動けるときこそ、正しい生活習慣を身に着けることを重視する必要があるといえるでしょう。

ただ、生活習慣の乱れや加齢とはまた別の理由で動脈硬化を発症することもあります。生活習慣の乱れに関しては、まったく無関係というわけではありませんが、動脈硬化の原因となる事象について、さらにお話していきます。

肥満やメタボリックシンドロームが動脈硬化のリスクを上昇させる!

動脈硬化の最たる原因のひとつといえるのが、肥満やメタボリックシンドロームです。生活習慣の乱れが動脈硬化を引き起こすというお話をしてきましたが、生活習慣の乱れから、まずは肥満やメタボリックシンドロームを発症し、それから動脈硬化を発症するという流れは、ある意味最も典型的な流れです。

肥満やメタボリックシンドロームの人が動脈硬化を発症しやすい理由は、高血圧と血糖値が上昇しやすいところにあります。動脈硬化という病気は、動脈の血管壁を損傷するのが主な症状です。血圧が高いことで、常に血管壁にプレッシャーがかかりますので、血管は徐々に脆弱化します。肥満やメタボの人が動脈硬化を発症しやすい原因は、肥満やメタボの人が高血圧を発症しやすいことにあります。

そして、血糖値が高い人にも同じことが言えます。血糖とは、血中に含まれる糖分のことです。血中の糖濃度が高いと、糖分によって血管壁が腐食されます。これも動脈硬化の大きな原因になります。そのため、肥満やメタボの人が動脈硬化を発症しやすい傾向が高くなるのです。

動脈硬化の予防方法と治療方法

動脈硬化を予防するということは、動脈の血管壁を損傷しないようにする必要があります。動脈硬化の予防を考えるためには、動脈癖の損傷をいかに防ぐかが最大のポイントになります。

そして、動脈硬化をもし発症してしまったとしたら、その後の治療が非常に重要になります。治療がうまくいかなければ、上記でも触れた心疾患や脳疾患を発症し、最悪のケースでは死も覚悟しなければならないからです。

それでは、動脈硬化の予防方法と治療方法について、それぞれチェックしていきたいと思います。

動脈硬化の予防方法

動脈硬化を予防するということは、動脈の血管壁の損傷を未然に防ぐことと同義です。動脈の血管壁が損傷するのは、血管壁に常時負荷が加わるからです。高血圧や高血糖の人は、常に血管壁に負荷を与えていることになります。つまり、高血圧や高血糖を回避することが、動脈硬化の予防として最も有力であるということになります。

では、高血圧や高血糖はなぜ起こるのかというと、やはり肥満やメタボリックシンドロームが大きな原因になります。動脈硬化の予防のためには、まずは肥満やメタボを予防することが重要になります。そして、そのためにはやはり生活習慣に十分気を配るということが必要になります。

不健康な食生活を避け、運動不足を解消することが重要です。また、飲酒習慣は高血圧や高血糖の原因になりますので、飲酒習慣がある人は、適量だけは必ず守って飲酒していただきたいと思います。そして、喫煙も高血圧の原因になりますので、動脈硬化の予防のためには、禁煙することが望ましいといえます。

塩分摂取量に注意を払うべき

高血圧の最大の原因は、過剰な塩分摂取にあります。高血圧が動脈硬化の原因になっている以上は、塩分摂取量に注意を払う必要があります。理想を言えば、1日あたりの塩分摂取量を6g未満に抑えることが望ましいといわれています。すでに高血圧(症)を発症している人は、1日6g未満の塩分摂取量は厳守する必要があります。

現在高血圧を発症していない人でも、できることなら1日あたりの塩分摂取量を6g前後にとどめることを目標にしていただくことが望ましいといえます。日本人は塩分摂取量が多いといわれますので、減塩を食習慣の中に摂り込む意識は重要です。

動脈硬化の治療方法

動脈硬化を発症した患者さんは、上記の予防でお話した内容をすべて実践する必要があります。自覚症状が表れづらい動脈硬化ですから、油断せずに、まずは確実に症状の進行・悪化を食い止めることが最優先になります。

基本的に、動脈硬化の発症というだけで現時点とどまっているのであれば、生活習慣を徹底的に改善することで、治療は可能です。あとは定期的に医療機関で検査を受け、血圧や血糖値、コレステロールのバランスなどをこまめにチェックすることが大切です。

問題は、動脈硬化によって合併症を発症している場合です。心疾患や脳疾患の場合、通院による治療も不可能ではありませんが、入院して治療する人が多いです。入院治療の場合は、病院側の指示に従うことが大切です。通院治療の場合も、病院側から細かい指示があると思いますので、そちらを厳守していただきたいと思います。

他にも糖尿病や内臓疾患を動脈硬化の合併症として発症することが多いですから、何らかの合併症が誘発されている以上、まずはそちらの治療に専念することが大切です。ただし、その際に大前提となるのが、上記の予防のところでお話した内容です。また、生活習慣の改善などによる予防が、合併症にとっても改善のヒントになるはずです。

今回は、日本人にとっては発症リスクが高い動脈硬化についてお話してきました。動脈硬化は、予防のためにも治療のためにも、定期的に検査を受けるということが重要なポイントになります。自覚症状が出にくい生活習慣病ですから、予防という意味では検査からスタートすることが常套的であるといえます。

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