飲みすぎだけではわからない!どのくらいの量が飲みすぎなのか!?

生活習慣病の症状、予防方法、治療方法、データを知り、生活習慣病と向き合いましょう!
    

飲みすぎの定義とは

飲みすぎということばを耳にする機会はけっこうたくさんあって、たとえば、CMなどでも飲みすぎ、食べ過ぎにはこの一服を・・・といったつかわれ方をすることもありますし、ご家庭でも、奥さんが旦那さんに対して、いい加減飲みすぎだからそろそろ終わりにしたら?などというときにもつかわれます。ですから奥さんの場合、へたをしたら毎晩飲みすぎということばをつかい、旦那さんは毎晩耳にしなければならない可能性もあるわけです。

ところが、実際のところ、どのくらいから飲みすぎなのかということについては、あまり深く追求されないところもあって、言うほうはそうでもないにしても、言われるほうからすれば、相手は何をもって自分が飲みすぎだと判断しているのだろう・・・などと、妙に疑心暗鬼になってしまうこともあったりします。

CMなどでもおなじみの胃腸薬にしたって、薬を飲む量だけはかなり厳密に記されており、薬の飲みすぎに関しては、それだけでもう十分禁忌に相当するというような文言がパッケージに記されています。しかし飲みすぎ食べ過ぎの際には・・・などと宣伝している割には、どのくらいの量のお酒を飲んだら飲みすぎに相当し、したがってこの胃腸薬を服用すべきであるかといったことが書かれていないのは、少々引っかかるところも正直あります。

また、旦那さんに対して毎晩のように飲みすぎだと自信満々に言う奥様だって、ほんとうのところ、どのくらい旦那さんがお酒を飲んだら飲みすぎなのかということに関しては、まあ長年の付き合いだからわかるという意見もゴモットモではありますが、さすがに厳密な分量まで指摘できる奥様は、どれだけ長く夫婦生活を続けたとしても、これはちょっとムリということになるはずです。

しかし実は、飲みすぎを厳密に定義できない理由がちゃんとあるのです。奥さんの場合は一種の口ぐせに属するのかもしれませんが、ちゃんとした製薬会社でありながら、薬の分量だけを厳密化してお酒を飲む量に関しては関与しないというスタンスで薬を販売しているのは、そうせざるを得ないところが大きいからなのです。

飲みすぎであると判断する基準について

かかりつけの主治医であれば、患者さんの体質や生活習慣などから、データに基づいてかなり明確な飲みすぎの基準を設けることができるはずです。しかし私たち一般人にとっては、たとえデータがそろっていたとしても専門知識がないため、データの処理ができません。つまり、私たち一般人にはいくらがんばったところで厳密な飲みすぎの基準を設けることなどできないのです。

そこで、あまり専門的なところではなく、まずは私たち一般の目線で飲みすぎと判断するタイミングはどこにあるのかというそのシチュエーションごとに、飲みすぎの基準を分けて考えることからスタートしてみたいと思います。

奥さんなど他者が見て判断する基準

自分以外の人が自分の様子を見て、これは飲みすぎなのではないか・・・と判断するシーンは比較的多いです。特に、晩酌をするご家庭では、奥さんが毎晩のように旦那さんの酔っぱらいゆくさまを見ているわけですから、毎晩のように、そろそろ飲みすぎなのではないかとの判断を迫られることになるのではないでしょうか。

では、奥さんが旦那さんの飲みすぎに注意を向けるのはどのタイミングかというと、やはり、旦那さん本人が一番気持ちよく酔っぱらっているタイミングということになるでしょう。私(男)にもそういう経験がありますのでわかりますが、よくよくそういうタイミングを考えてみると、もうこれ以上飲んだところで、決してお酒がおいしくなるわけでもなければ、いい加減もうやめてもよいのにな・・・などと思われるタイミングであっても、ああいうときというのは、さらにどんどんお酒が進んでしまうものです。

しかし、奥さんからすると、そういうことをちゃんとわかっていて、もうやめなさいと自信をもっていえるわけですから、やっぱり持つべきものは奥さんだなぁ・・・などと、心底思えるものです。

ところが、友達や同僚、特に男性同士でお酒を飲んでいるときには、そういうタイミングだからといって、お酒をストップするということはまず考えられません。それどころか、そこからさらにお酒が進み、意識がなくなるくらいまでいっても歯止めがかからないことも珍しくはありません。もちろんたまにはそういうことがあっても仕方がないとは思いますが、そういうことがしょっちゅう続くようだと、肝臓の健康の保証はないといわなければなりません。

やっぱり、お酒が大好きな男性からすれば、持つべきものは友よりも奥さんかな、などとも思えます。

本人が判断する基準

上記のように、多少のことならビクともしない酔っぱらい男性もたくさんいることはいると思いますが、しかし自らそろそろやめておいたほうがよいかなと察知して、ちゃんとその日のお酒をストップする人もいるはずです。ただ、これはあくまでもその人の判断ですから、そこに客観性はまったく存在せず、ちょっと気持ち悪くなってきたからもうやめようといったケースがほとんどです。

気持ち悪くなる前には気持ちよくなっている時間帯も当然あるわけで、それはまさに、奥さんがストップをかけてくれる時間帯でもあります。しかし、自分ひとりで飲んでいるときなどは、そういう時間帯でもお構いなしに飲み続け、自分の体調の変化に気づくころに、ようやく自制が働くことになります。

一般論で言えば、このタイミングは明らかに飲みすぎです。このような飲酒習慣を続けてしまうと、近い将来肝臓は深いダメージを被ることになるでしょう。そしてもちろん、そのことに自ら気づいて、その後はちゃんと自制心をもって飲酒を楽しむ人もいると思います。ただ、お酒の魅力(というか、魔力?)に取りつかれてしまった人は、飲む前はわかっていても、飲みだすとわからなくなってしまい、結局深酒が習慣化してしまう人が多いのも現状です。

飲みすぎの真実

2014年のデータによると、世界中で年間330万人の人が、アルコールを原因とする何らかの生活習慣病を発症し、死亡に至っているというのが現状です。330万人という数字がどれだけのものであるのかということに関しては、感じ方がその人によって異なるとは思いますが、どれだけ小さく見積もっても、少数であると感じる人はごくわずかでしょう。

酒は百薬の長ということばもあるくらいですから、お酒を飲むこと自体に大きな問題があるわけではないと信じたいところではあります。しかしその飲み方や飲む頻度、量に関しては、いろいろ注文をつけなければなりません。そこでふと思い当たるのが、多くが、いわゆる飲みすぎという飲酒習慣によって、そうした生活習慣病を発症するという事実です。

しかし、上でも書いたように、飲みすぎを自覚していながらもお酒をストップするのは難しいことです。そしてまた、飲みすぎという状況が、果たしてどの程度の飲酒量によって起こるのかというはじめに掲げたテーマに、ここでまた再び舞い戻ることにもなるのです。

問題は、飲酒量の適正値というのは、その人によって異なるところにあります。というのも、これだけ飲んだら飲みすぎだということは、一概にいえない部分が大きいのが、飲酒量に関する最大の問題のひとつだからです。要するに、飲みすぎかどうかの判断は、その人の判断にゆだねるしかないというのが実際のところなのです。

確かに、このくらいの量を飲んだら飲みすぎですよ、というお酒(アルコール)に関する公的な、あるいは専門的なデータはすでに導きだされています。しかし、個人の飲酒量の許容範囲が公的とされる許容範囲を大きく超えてしまう人もたくさんいるのです。そしてその逆もまたしかりです。公的であり専門的でもあるデータからして、そんなに危ないデータしか導きだすことができないところが、お酒の飲みすぎという概念の解釈の難しさなのです。

そこで、お酒を飲むときにはいくつかのルールを決め、またアルコールにまつわる特性を理解しながら飲酒を楽しむということに努めていただきたいと考えます。

飲酒を楽しむためのルールとアルコールの特性

お酒は、適量を守って飲むことが望まれますが、再三お話しているとおり、その適量がよくわからないのが実際のところです。適量がわからない理由は、個人差があるため、明確な適量を一般論として流布することができないからです。だからこそ、飲む人本人が適量を判断しなければならないわけですが、であれば、本人が判断しましょうよ、という話になります。

そのためには、飲酒の際には遵守すべきルールを設け、アルコールの特性をよく知ることが重要になります。ここでは、アルコールにまつわるそういった重要事項をまとめてみたいと思います。まずはアルコールの特性から考えます。もちろんアルコールにはいろいろな特性がありますが、飲酒の際に特に重要になる特性をしっかり押さえていただきたいと思います。

アルコールの特性

お酒というのは、ふつうに飲んでいるだけでも、飲みすぎてしまう飲み物であるということを理解する必要があります。いろいろある中でも、このことがアルコールの最大の特性になります。

精神疾患の一種に分類されますが、アルコール依存症という症状があります。依存症である以上、過剰に摂取しやすくなるという特性があるということが、アルコールに関する最大の注意事項です。

アルコール依存症というと、イメージとしては、お酒を断つと禁断症状が表れ、震えが止まらず、まともな生活を送ることができなくなってしまうといった症状を思い浮かべるかもしれませんが、一見まともな生活を送ることができている人でも、その日の飲酒をストップできない人は、すでにアルコール依存症にかかっている可能性が高いです。

このあたりは、精神疾患の分野になりますので、あまり深くはお話しませんが、これもすべてアルコールの特性、つまり、ふつうに飲んでいるつもりでも、どうしても飲みすぎてしまうという特性が影響していることになるのです。お酒が好きな人は、このことを十分に理解していただきたいと思います。

飲酒の際のルール設定

それでは、ここからは飲酒の際してのルールを設定していくことにします。これは、飲みすぎを防止するためのルールであり、細かい理屈抜きで守っていただきたいことがらです。健康に、楽しくお酒を飲むために必要な条件であると解釈していただきたいと思います。

ルール1・お酒はほろ酔いの段階でやめる

これが一番難しい注文かもしれませんが、ほろ酔いというのはすでにアルコールが血中に溶け込んでいる段階ですので、それ以上飲んでしまうと飲みすぎの状況に至る可能性が高いです。もちろん、肝臓の代謝能力によってまだまだ飲める可能性はありますが、逆に、それ以上肝臓がアセトアルデヒドの処理ができない人にとっては、肝疾患へと一歩ずつ近づくボーダーラインが、ほろ酔いという状態であると解釈してください。

ルール2・お酒は必ず食べ物と一緒に飲む

ほんとうにお酒が好きな人は、食事やおつまみはなしでお酒だけを楽しむものだなどという言われ方をすることがありますが、肝臓をはじめとする健康のことを考慮するなら、少しでもアルコールによる負担を軽減するために、何かおつまみや食事と一緒にお酒を飲むくせをつけていただきたいと思います。

ルール3・薬を飲んだ、もしくはこれから飲むときにはお酒を控える

お酒を飲むと薬が効かないというような話はよく耳にしますが、薬が効かないかどうかということよりも、薬自体にすでにアルコール成分を含んでいることが多く、薬を飲むだけで肝臓に負担をかける可能性があります。それに加えてお酒を飲むとなると、ほろ酔いが云々などとのんきなことを言っている場合ではなく、ひと口めを飲んだ瞬間、即飲みすぎ!となってしまっているリスクもあります。

ルール4・最低でも週1~2日の休肝日を設ける

理想を言えば、ほろ酔いを感じたらその日のお酒をストップするという飲酒習慣に加え、1日おきに飲酒する(つまり、1日おきにお酒を休む)という飲酒習慣がベストといえます。しかし、仕事上の付き合いもあるでしょうから、なかなかそうはいかないでしょう。それに、どうしても飲みたいお酒をガマンするのも、逆にストレスとなる可能性もあります。ですから、最低でも週2日は飲酒を控え、休肝日を肝臓に与えてあげることが大切です。それでもガマンできない場合は、どんなことがあっても週1日は休肝日をつくることが重要です。

ルール5・他者から飲みすぎの指摘があったらすぐにストップする

多くは奥様からの飲みすぎよ!の指摘が入ることが多いと思いますが、独身の方がお友だちとお酒を飲むときなどは、お友だちや、あるいはお店の人から飲みすぎだよ・・・などと指摘された場合には、すぐにそこでお酒をストップするということも大切です。自分では気づいていなくても、他者の目には重大な変化が見えているからこその指摘であるはずです。

ルール6・体調が悪いときには飲酒を控える

どこかに痛いところがある、あるいはなんとなく気分がすぐれないという人は、その日のお酒は控えるべきです。次の1杯が重大な疾患を決定的なものにしてしまうかもしれないと考えると、体調が悪いのに無理をしてまでお酒を飲むメリットはどこにもありません。また、体調が良いか悪いかとは無関係に、アルコールには睡眠障害をもたらすリスクがありますので、普段から睡眠障害に悩んでいる人は、寝る前の飲酒は控えるべきです。

ルール7・肝臓の検査はマメに行う

アルコールのダメージは、必ず肝臓に悪影響を与えます。お酒が大好きな人は、必ず定期的に肝機能検査を実施するようにしてください。アルコール依存症の人は、お酒をやめたくないから健康診断や血液検査はしないというまるっきり本末転倒の発想を抱く人もいますが、そうではなく、いつまでもおいしく楽しくお酒を飲むための肝機能検査であると解釈しなければなりません。肝臓が無事でなければ、近い将来の健康の破綻は目に見えているのです。

お酒が大好きだからこそ、上記のアルコールの特性を完全に理解していただき、また、上記の7箇条のルールを完全に遵守していただくことを願わずにはいられません。繰り返しになりますが、いつまでも楽しくおいしいお酒を飲むためのルールですから、お酒が好きだからこそ、ぜひ守っていただきたいと思います。明日からではなく、今日今すぐに、ルールは発動すべきです。がんばりましょう!

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